デイリー・アップデート

2018年12月6日 (木)

[フランス] フィリップ首相とドルジ環境相が、抗議デモ沈静化のため、燃料税引き上げの6か月延期からさらに譲歩し、2019年予算から削除することを発表。マクロン大統領の国内改革の目玉である環境に配慮した政策実行と財政赤字削減が暗礁に乗り上げた形に。次のデモは12月8日に予定されている。

[米/中] 「チベット相互入国法案(Reciprocal Access to Tibet Act)」が米国上院外交関係委員会を通過、今後上院を通過し、大統領の署名を経て法案成立の段取りとなる。現在、中国は米国を含む外国人のチベット訪問を厳しく制限しているが、本法案が成立すれば、米国人記者や外交官、旅行客のチベット入りを中国政府が拒んだ場合、その制限に関与した中国人官僚の米国入国が制限されることになる。

[米国] FRBは、地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。貿易摩擦の影響の一方で、米経済は緩やかに拡大しているという足元の状況の見方に大きな変更はない。また、労働市場のタイト化から、賃金以外の有給休暇や賞与などで待遇改善を図るケースが多くなっている模様。その一方で楽観的な観測は後退しつつあるとの見方が加えられたことが注目される。米経済の先行きの見方については潮目が変わりつつあるようだ。

[ユーロ圏] ユーロ圏製造業PMIは、10月の52.0から11月の51.8に低下した。また、ドイツのPMIは10月の52.2から11月の51.8に低下した。この主な理由は、新規受注が減少し、輸出も3ヶ月連続で減少していることである。また、国内政治の不安定と貿易摩擦の懸念のため、企業マインドは非常に悪い。フランスのPMIは51.2から50.8に低下し、イタリアのPMIは49.2から48.6に低下した。全体的に生産と新規受注が減少した。ただし、フランス以外のユーロ圏の内需を下支えしている新規雇用者数は若干増加した。

[ブラジル] 鉱工業生産指数は過去3か月マイナスとなっていたが、10月の鉱工業生産指数は前月比+0.2%。主に資本財の生産および耐久消費財の生産が全体を牽引。11月の製造業PMIは52.7。前月(51.1)から大きく改善しており、過去8か月間で最も強い回復を示している。

[イラク/クルド自治区] クルディスタン民主党(KDP)は、マスード・バルザニ氏の息子であるマスルール・バルザニ治安評議会議長をクルド自治区の新首相に、そしてネチルバン・バルザニ現クルド自治区首相を同自治区の新大統領に推薦することを決めた(クルド自治区議会の承認が必要)。クルド自治区大統領のポストは、昨年11月に独立を問う住民投票実施後の混乱の責任を取る形でマスード氏が退任して以来、空席となっていた。

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