デイリー・アップデート

2019年3月6日 (水)

[インド/米国] 3月4日、米政府はインドに対し一般特恵関税制度(GSP)対象国から除外すると発表した。トランプ大統領の米議会及びインド政府への通達60日後に施行される見込み。インドから米国への輸出額は約56億ドルだがGSPの適用除外による追加コストは1億9000万ドルにすぎないとインド政府は認識しており、今のところ米国の決定に対し交渉は行わず受け入れるとみられている。しかし、インド側の報道によるとインド政府は4月から米国に対し報復関税を課す可能性を示唆している。米政府はトルコに対してもGSPを廃止すると発表している。

[米国] 米供給管理協会(ISM)の非製造業景況感指数は2月に59.7となり、1月から3ポイント上昇した。同調査によると、米中貿易協議の行方や、関税引き上げの国内への悪影響を懸念する声がある一方で、米国内経済・ビジネス環境が堅調に推移しているとの声も多かった。先日発表された製造業景況感指数は低下しており、製造業・非製造業で方向感が異なっている。この相違は、海外経済の不調や先行き不透明感の高まりと米国経済の堅調さの対比を表しているのかもしれない。

[ユーロ圏] ユーロ圏製造業PMIは、1月の50.5から2月の49.3に低下した。節目の50を下回り、製造業の景況感が悪化に転じた。国別にみると、フランス、ギリシャとアイルランド以外の国でPMIが低下した。全体的にみると、ユーロ圏各国の国内需要と中国への輸出が減少したため、新規受注や生産が減少した。その結果、ユーロ圏のPMIは5年半ぶりの低水準になった。

[中国/カナダ] 中国政府は、カナダの農業大手Richardson Internationalによるキャノーラ(菜種)の対中輸出を認めない決定を下した。中国国家税務総局のウェブサイトに掲載された3月1日付輸出業者承認リストで判明し、会社側もこれを確認。Richardsonの対中輸出が禁止された理由は不明。中国側当局のコメントは得られていない。カナダが米国の要請でファーウェイのCFOを拘束して以降、中加関係は悪化している。輸出禁止が長期化すれば、Richardsonやカナダ経済にも悪影響が及ぶ可能性がある。

[メキシコ] インフレ率は主に食品や燃料の価格下落により、昨年末の前年比+4.7%から2月半ばには+3.9%まで低下。しかしコアインフレ率は同様のペースでは下がっていない。コアインフレ率の中銀目標は+3%だが過去一年、+3.5~3.7%で推移。これはペソ急落と燃料価格高騰による2016年から2017年のインフレショック以前よりも高い水準。

[インド] トランプ米大統領が、インドを一般特恵関税制度(GSP)対象国から排除する意向を表明。インドが米国企業に対して公平かつ合理的な市場アクセスを認めていないことが理由。米議会とインドに通知してから60日の猶予期間の経過後、大統領により正式に決定され、発効する予定。インドは米国の論拠に反論している。

[米国] 3月5日、商務省は米TIMET社からの申請に基づき、スポンジチタンに関する通商拡大法232条に基づく調査を開始した。同232条は国防条項と呼ばれ、輸入品が米国家安全保障に及ぼす影響を調査し、合衆国大統領は必要に応じて輸入制限などの措置を講じることが認められている。トランプ政権下では鉄、アルミ、自動車、ウランに次いで5件目の調査案件となる。

[ロシア] 3月5日、フォーブス誌は毎年恒例の世界長者番付を発表し、ロシア人最高位としては、L.ミヘルソン氏(ガス会社ノヴァテック社、化学品・ペトケミのシブール社の共同オーナー)が資産240億ドルで32位に入った。一方、今回初めて番付に登場したのは、ロシアで二人目の女性億万長者となったファッション通販サイト Wildberriesのオーナー、タチヤーナ・バカリチュク氏(43歳)。

[米/中/カナダ] 米国の要請によりカナダで逮捕されたファーウエイ副会長兼CFOの孟晩舟女史に関し、2月1日カナダ司法省は引き渡し手続きの開始を発表したが、同国の司法手続きが遅く、いかなる決定に対しても上訴が可能なため、最終的な引渡しまでには数年を要するとみられる。1日、孟氏はカナダ官憲による自供強要が権利侵害だとしてカナダ政府機関を相手取って民事訴訟を起こした。なお、中国の官制メディアは、4日、中国で拘束された2名のカナダ人に関し、機微情報をスパイ・窃取した容疑で取り調べ中と報じた。

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