デイリー・アップデート

2019年8月22日 (木)

[日本] 7月の訪日観光客は約299万人(前年同月比+5.6%)となり、単月として過去最高になった。中国からの観光客は約105万人と、はじめて100万人を上回った。一方、韓国からの観光客は約56万人と前年同月比▲7.6%に減少した。2018年の1人あたり消費額の平均は約15万円であり、中国の約22万円に対して韓国は8万円弱だったことを踏まえると、通年では観光客数、消費額とも前年を上回るとみられるものの、韓国からの観光客が多い地域では悪影響も懸念される。

[赤身肉] 8月7日、「ソーセージを愛する」ドイツで食肉の付加価値税(VAT)の軽減税率7%を通常の19%に引き上げる案が浮上。気候変動抑止と動物福祉改善を理由に挙げた。Fitch Solutionsは5月時点で、糖質原料やタバコと同様、赤身肉に対しても近いうちに世界各地で特別課税が導入され、値上がりするとの見解を示している。国連は、人類の食糧システムに温室効果ガス全体の37%が集中しているのは動物由来食品の大量消費に関係していると指摘、医学関係者は肉好きの癌・心臓病等のリスク増大を指摘している。

[お休みのお知らせ] 明日、2019年8月23日のデイリー・アップデートはお休み致します。

[日/米] 日米貿易交渉に関する閣僚級協議が7月21日午後、ワシントンにて開始され、22日まで行われる予定。24日から始まるG7首脳会議の期間中に、日米首脳会談の実施も見込まれることから、日米閣僚による貿易協議がどこまで進展するか注目される。通商政策を所掌するグラスリー上院財政委員長は、今後数か月で妥結するのではないかとの見通しを述べ、日米合意は交渉範囲が限定されていることから、米議会承認を得る必要性もないのではないかとの見解をメディアに対して披歴した。

[日/中/韓] 8月21日、北京で日中韓及び日韓外相会談が行われた。3か国の会談では、北朝鮮の非核化に向けた協力、3か国首脳サミット年内開催への調整、RCEP年内妥結に向けた協力と日中韓FTA交渉加速などを確認。日韓会談では、日本側から徴用工賠償判決を巡る国際法違反状態の是正、韓国内の反日的な動きへの対応などが、韓国側からは「ホワイト国」からの韓国除外の撤回、福島原発の汚水処理問題などがそれぞれ提起された。GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)は、翌22日の報道で韓国政府の延長方針が明らかにされた。

[ミャンマー] アウンサン・スーチー国家顧問兼外相がティラワ経済特区(SEZ)を初訪問し、日本への謝意を表明した。フォスター電機、ヤクルト、スズキの日系3社と豪州の製薬会社の工場を訪問。SEZの運営会社であるMJTDに出資する住友商事、丸紅、三菱商事等とも懇談した。スーチー顧問は2018年10月の訪日の際にもティラワSEZの成果を強調していたが、前政権が進めたプロジェクトだったことから、公式訪問はこれまで実現していなかった。

[ロシア] ロシア初の海上浮揚式原子力発電所(総出力:7万kW)である「アカデミック・ロモノソフ号」が技術的な試験を完了し、今月中に北部のムルマンスク港から北極圏のチュクチ自治区ペヴェク港に移動する予定。2019年12月からの送電開始を予定している。ロシアは順調に北極圏開発に乗り出し、エネルギー供給を安定させ、将来における北極海航路の商業利用の拡大につなげたい狙いがある。

[イタリア] 8月9日に「五つ星運動」の連立相手である「同盟」が連立解消に動いたため、20日に上院でコンテ首相が辞任を発表した。その結果、マッタレッラ大統領は新たな連立政権樹立を目指すか、あるいは解散総選挙を実施するかを検討中。また、同大統領は22日までに上院・下院議長ならびに各政党党首との会合を開いている。明23日には、新政権樹立か解散総選挙を決定する見込み。

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