デイリー・アップデート

2019年9月5日 (木)

[米国] FRB高官の金融政策に対する見方が割れている。9月3日、ブラード・セントルイス地区連銀総裁は、9月のFOMCで0.5%利下げを実施するべきとの考えを示した。一方、ローゼングレン・ボストン地区連銀総裁は同日、現時点で利下げの必要はないとの認識を明らかにしている。7月と同様に現在も、据え置きか利下げか、仮に利下げでもその幅(0.25%、0.5%)を巡ってFOMC内で意見が割れている。雇用統計や地区連銀経済報告など実体経済を確認することの重要性が増している。

[イラン] ロウハニ大統領が、5月と7月に続き、JCPOA遵守縮小の第3弾として、核に関する研究開発の制限撤廃を発表した。イランは、JCPOAによって約束された経済的見返りが得られていないとして、JCPOA締結後に守ってきた遵守事項を段階的に縮小している。マクロン仏大統領は、イランに対する150億ドルの信用枠設定などを提案しているが、米政府は新たに複数のイラン人・企業を制裁リストに追加するなど、圧力強化の手を緩めていない。

[中国] 上海易居不動産研究院の「2019年8月40都市の土地市場報告」によると、8月の40都市の土地成約面積は前月比▲16.9%、同平均成約価格は同▲1.8%と、量・価格共にダウン。また、40都市の国有地使用権売却高も同▲30.3%と減少した。研究院は徹底した政策調整が効果を表しており、バラツキはあるものの明らかに市場を冷やしているとコメント。本年7月以降、不動産会社に対する融資環境も厳しくなり、土地の新規買収にも慎重になっているとみられる。

[イタリア] 9月4日、マッタレッラ大統領はコンテ新政権を承認した。閣僚名簿によれば、『五つ星運動』のディマイオ党首は外務大臣に就任予定。また、ヴィンチェンツォ・アメンドラ氏(民主党)はヨーロッパ問題担当副大臣に、ロベルト・ガルティエリ氏(民主党)は経済・財務大臣に就任予定。『五つ星運動』と民主党の連立政権に関する信任投票は、下院で9月9日、上院では同10日に実施される予定。

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