デイリー・アップデート

2020年2月6日 (木)

[タイ] 2月5日、タイ中央銀行(BOT)は政策金利を0.25%ポイント引き下げ1.0%とした。昨年11月以来2会合ぶりの引き下げで、金利は過去最低となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光業の低迷及び工業分野の混乱、予算関連法案の成立の遅れ、干ばつにより経済減速が予測されるための緊急措置。観光業では、中国人旅行者による消費はGDPの約4%を占めており、タイは新型コロナウイルス感染拡大により最もダメージを受ける国の一つ。2020~21年のインフレ率は目標を下回ることが予想される。

[米国] 米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況感指数(NMI)は55.5となり、前月(54.9)から上昇した。これは5か月ぶりの高水準。特に、事業活動・生産や新規受注などが上昇。足もとのビジネス環境や先行きについて明るさが見え始めているようだ。これらは個人消費の伸びが鈍化する中でも、非製造業が緩やかに成長していることを示唆している。

[チリ] 12月の月次経済活動指数は前月比3.5%増、前年比1.1%増。中銀は10月や11月のような縮小を予想していたが、実際は建設業や製造業が非鉱業セクターを牽引し、鉱業でも加速が見られた。12月の企業景況感や消費者信頼感は、前月とあまり変わらないか、わずかな悪化にとどまった。小売売上高は4か月連続の減少で2019年を終えた。2020年に入ってからはクリスマス休暇でいったん鎮静化していたデモが再発し、また新型コロナウイルスの発生を受けて中国経済の減速が予想より悪化することへの懸念から銅価格も急変動している。

[ウクライナ] 最新の世論調査によれば、ゼレンスキー大統領の支持率は49.4%となり、就任以来初めて50%を割り込んだ。農地改革や家計向けガス料金の引き上げなどの施策が不人気で、支持率低下に繋がった。ホンチャルク内閣の支持率も不祥事の発生などで低下しつつあり、ゼレンスキー政権は今後、求心力が弱まっていく可能性もある。

[イラク] 2月1日に大統領が新首相に指名したムハンマド・アッラーウィ氏(元情報相)に対して、デモ隊は同氏が旧体制に所属する人物であるとしてこの指名を拒否し、首都バグダッドや南部諸都市において反政府デモを継続していたが、同氏の首相指名を支持するムクタダ・サドル師はデモをやめるよう指示。聖地ナジャフにおいてデモを継続するデモ隊と、それをやめさせようとするサドル師支持の集団が衝突し、少なくとも5人が死亡する事態となった。

[米国] 2月5日、上院で行われていた大統領弾劾裁判にてトランプ大統領に無罪の評決が下った。大統領は、権力乱用と議会妨害の2つの弾劾条項のいずれについても無罪評決を勝ち取った。評決は党派に沿った投票となったが、権力乱用に関しては、共和党のロムニー上院議員が民主党に同調し、有罪支持に一票を投じた。無罪評決確定によって約4か月にわたり米国政治を席巻した大統領弾劾プロセスは終わりを迎えた。6日には大統領自身が弾劾について演説を行う予定。

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