デイリー・アップデート

2020年3月11日 (水)

[EU] 欧州委員会が『新産業戦略』を発表。目的は、環境保護・維持や、デジタル化への移行を推進する中で、EU企業が競争力を維持し、最大限の企業活動ができるための環境を作ること。大・中小企業、スタートアップなど諸企業に加え、EU加盟国政府や研究センターなど、経済・技術革新活動に関わる全てのプレイヤーを対象としている。

[中国] 2020年2月の乗用車小売販売台数は、前年同月比▲78.5%の僅か25.2万台、1-2月累計でも同▲41%だった。自動車産業関連の税収、就労人口、販売額などは規模が大きく経済上のインパクトが大きいため、中央・地方政府、自動車メーカーが、自動車市場の早期回復を狙い積極的に動き出している。2月初旬に広東省佛山市が購入時の補助金支給策を、3月初旬には広州市が購入台数制限の緩和とNEV購入時の補助金支給策を再開し、メーカー各社も購入時のキャッシュバックなどの販売促進策を打ち出し始めた。

[アジア] 3月6日、アジア開発銀行(ADB)は、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)がアジア各国の国内総生産(GDP)に与える影響の試算を発表した。世界経済の損失額は770億~3,470億ドル、世界のGDPの0.1~0.4%になるとしている、GDPの下げ幅が大きいのは、順にモルディブの▲2.05%、カンボジアの▲1.59%、タイの▲1.11%、香港の▲0.85%、中国の▲0.76%、モンゴルの▲0.74%、シンガポールの▲0.57%、台湾の▲0.44%など。

[ユーロ圏] 欧州統計局によると、2019年Q4のGDP成長率は前期比+0.1%と速報値と同じだった。今回発表された内訳をみると、設備投資がGDP成長率を+0.9pt押し上げた一方で、個人消費は+0.1ptにとどまった。また、輸出の+0.2ptに対して、輸入は▲1.0ptとなった。過去を振り返ると、設備投資と輸入の大きな振れが一致しており、資本財を海外から輸入しているようだ。2020年Q1は前期Q4の上向きの振れの反動減に加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、マイナス成長に転じる恐れがある。

[コロンビア] 新型コロナウイルスの感染拡大による経済および石油需要への悪影響懸念で年始から3月5日までにブレント原油価格は26%下落。同様にコロンビアペソは1ドル3,539ペソまで5.5%下落し、過去20年間の最安値を更新。インフレ率は2月に教育費の上昇および農業生産地での悪天候による食料品価格の上昇から前年同月比+3.7%まで加速。インフレ率上昇や通貨安にも関わらず2月のPMIは50を超え、8か月連続で拡大域に留まっている。堅調な需要により企業の見通しは楽観的だが、仕入価格の上昇が始まっており、雇用は停滞。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

16人が「いいね!」と言っています。