デイリー・アップデート

2021年2月3日 (水)

[アジア] 英市場調査会社IHSマークイットはアジア各国の1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表。インド、インドネシア、フィリピンの1月の製造業PMIはそれぞれ57.7(前月56.4)、52.2(同51.3)、52.5(同49.2)と前月を上回った一方、マレーシア、タイ、ベトナムの製造業PMIはそれぞれ48.9(前月49.1)、49.0(同50.8)、51.3(同51.7)と前月を下回った。

[欧州] 欧州統計局(Eurostat)によると、ユーロ圏の2020年第4四半期の実質GDP成長率は前期比▲0.7%となった。マイナスは2四半期ぶり。2020年通年では前年比▲6.8%となった。2020年第4四半期の国別数値では、ドイツ(+0.1%)やスペイン(+0.4%)がプラス成長を維持したものの、フランス(▲1.3%)やイタリア(▲2.0%)は再びマイナス成長に転じた。都市封鎖などの感染対策が景気に下押し圧力をかけた。2021年に入ってからも対策は強化されており、当面景気に下押し圧力がかかり続けるとみられる。

[ロシア] 2月2日、首都モスクワの裁判所は、反体制派指導者ナワリヌイ氏が過去に受けた禁錮3年6か月の執行猶予付き有罪判決について、実刑への切り替えが妥当との判断を下した。プーチン政権に対する抗議行動が一層先鋭化し、緊張が高まることが懸念される。また、欧米からはナワリヌイ氏の即時釈放を求める声が相次いでいる。

[米/中] 2月2日、楊潔篪(よう・けっち)中国共産党政治局委員は「米中関係全国委員会」が主催するオンライン会議で講演を行い、米中関係の改善を呼びかけた。「過去数年、米トランプ政権の極端な反中政策により、米中関係は非常に厳しい問題に直面した。一部の冷戦思考をもつ人々が中国の内政に干渉し、利益を阻害した」が、「中国は米国と共に協力し、衝突・対抗せず、相互に尊重し、ウィンウィンの軌道に沿って前進することを望む」と述べた。他方で「中国の核心的利益については決して譲歩しない」とも述べた。

[米国/UAE] 2月1日にバイデン大統領は大統領布告を発し、UAEに対する232条関税を維持すると発表。トランプ前政権はUAEからの輸入アルミについて、通商拡大法232条に基づく追加関税10%を2月3日から撤廃するとしていた。バイデン大統領は、関税維持にあたって、アルミの輸入制限が国内生産増・国防体制強化に寄与するという前政権同様の認識を踏襲している。大統領報道官は「関税を含め前政権の通商政策を精査中であり、UAEをめぐる前政権決定は外交上の配慮に基づくものと認識している」と発言。

[英国] 2月2日、北アイルランドの農務省が、北アイルランドの港に到着した動物・食品の「Brexitチェック」を、チェック担当職員12名の身の安全に鑑みて一時的に停止したと発表。北アイルランド警察は、これらの職員に対する威嚇行為が組織化された脅威と立証する証拠はないと発表しているが、新型コロナウイルス・ワクチン不足が懸念される中、欧州委員会が英国へのワクチン供給を阻止する動きを見せたことで、北アイルランドの不安定な和平の崩壊が懸念されている。

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