デイリー・アップデート

2021年4月8日 (木)

[日本] 財務省「国際収支統計」によると、2月の経常収支は2兆9,169億円の黒字だった。内訳をみると、貿易収支は5,242億円の黒字、サービス収支は▲757億円の赤字となった。第一次所得収支は2兆6,311億円の黒字だった。金利低下の影響などから証券投資収益が伸び悩む一方で、直接投資収益は景気の持ち直しなどもあって増加した。

[米/パレスチナ] 米政府は、国連のパレスチナ支援組織であるUNRWAなどへの1.5億ドルの支援を含め、合計2.35億ドルのパレスチナ支援を実施することを発表した。米国からのパレスチナに対する支援は、2018年にトランプ前大統領が停止して以来となる。

[米国] 新型コロナのワクチン接種は一日当たり300万回に達しており、バイデン大統領はすべての成人を対象にしたワクチン接種完了目標日を当初の5月1日から4月19日に前倒しすると発表。他方、入手可能な情報に基づく直近過去1週間の新規感染者数の約44%をニューヨーク、ミシガン、フロリダ、ペンシルベニア、ニュージャージーの5州が占めていることが判明。医療専門家は5州へのワクチン追加供給の必要性を指摘しているが、バイデン政権は各州の人口に比例してワクチンを供給する方針を維持。

[インド] 4月7日、インド準備銀行(中央銀行)は金融政策決定会合で、政策金利(レポ金利)を4.0%に据え置くと決定。据え置きは5会合連続。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を引き続き軽減し、インフレ率を目標範囲である2~6%以内に収める意向。昨年6~11月は物価上昇率がインフレ目標を上回っていたが、12月以降は目標範囲内に収まっており2月は5.0%だった。

[韓国] 4月7日に投開票されたソウル、プサンの両市長選は、共に、野党「国民の力」の候補者であるソウル:オ・セフン(呉世勲)候補とプサン:パク・ヒョンジュン(朴享埈)候補が、与党「共に民主党」の候補を大差で退けた。野党大勝の原因は、ムン・ジェイン(文在寅)政権下の不動産政策の失敗や土地住宅公社職員らによる不正な土地投機などにある。来年3月の大統領選に向けて、与党内でも現政権との距離を置く姿勢がより顕著になると見られ、ムン大統領のレームダック化は不可避と見られている。

[中国] 4月6日、中国紙『第一財経』は、マツダと一汽集団が、一汽マツダを長安マツダに事業統合する交渉を進めており、6月には実現する見込みと報じた。マツダは2003年に一汽と合弁販売会社を設立したが、生産については一汽にライセンスを付与していた。今後は中国国産車事業をすべて長安マツダに依拠して展開することになる。マツダの中国での販売台数は2017年に30万台を突破した後、年々減少し、2020年の販売台数は21.7万台で、そのうち一汽マツダの販売数は7.98万台だった。

[英国] 北アイルランドの英国帰属維持を是とするユニオニストによる、アイルランド共和国への統合を主張するリパブリカン住民の住む地域での破壊行動が続くなど、北アイルランドで情勢不安が急拡大している。それぞれの主張を代表するDUP(民主統一党)もシン・フェイン党も暴動を非難しているが、暴徒発生のきっかけが、昨年6月のシン・フェイン党幹部によるコロナウイルス危機規制違反であることから、北アイルランド議会におけるパワーシェアリングの崩壊危機が懸念されている。

[米/ロ] 報道によれば、バイデン政権の当局者はロシアが行ったとされる米大統領選への干渉や米ソーラーウィンズのソフトウエアを悪用したサイバー攻撃などの検討作業を終え、報復措置の公表の準備に入っている。ロシア外交官の国外追放や個人制裁などの導入も検討しているという。

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