デイリー・アップデート

2022年5月27日 (金)

[南アジア] 世界銀行は、2022年4月13日、「南アジア経済報告(SAEF)2022年4月版 ― 基準を見直す:今後に向けた新しい道筋」 を発表。同報告書の中で、南アジアの経済成長率は、以前から不均衡かつ脆弱だったところに、ウクライナでの戦争と長引く経済課題の影響により、さらに不確実性が高まり減速すると指摘。地域の成長率見通しを2022年は+6.6%、2023年は+6.3%とした。2022年の予測は、1月の予測から1.0%ポイント下方修正された。

[エチオピア] エチオピアでは、銀行業の自由化に向けて法的枠組みの改定が進行中だが、外資の参入の際に地元企業との合弁などが必要条件になる可能性が高い。エチオピアでは、ティグライ州での戦争が始まって以来、海外からの資金流入が減少するなど厳しい状況が続いているが、アフリカ第2位の人口規模と、既存の口座保有数の少なさなどから、ケニアの銀行などが参入を狙っている。

[米国] 5月24日に行われた南部ジョージア州の知事選、州務長官選の共和党予備選挙でケンプ知事、ラッフェンスパーガー州務長官が勝利し、トランプ擁立候補が敗北した。だが、超右派活動家が支配している党大会で共和党候補を選出している重要な地域や「激戦州」のペンシルベニア州などでは、2020年大統領選挙で民主党陣営による大規模な不正があったとするトランプ前大統領の主張を支持する人物が知事候補や州務長官候補に選出されている状況がある。

[中国] 不動産不況や製造業の川下での需要減退などを受けて、鋼材需要がますます弱くなっている。5月26日の取引で、鉄筋の10月先物価格は4,505元/トンと4月の最高値から約13%下落、熱延コイルの同先物価格も4,632元/トンと同様に14%以上下落した。主要鉄鋼メーカーの工場在庫も5月中旬で1,997.4万トンと年初比+76.8%、前年同期比+36.5%とコロナ禍開始直後の2020年3月上旬の2,140.9万トン以来の高水準となった。減産を開始した鉄鋼メーカーは、華東、華南、西南地区から更に甘粛、青海、寧夏、新疆、広西などに拡大しているという。26日付の「財新網」が伝えた。

[中国] 5月25日、香港紙SCMPは関係者の話として、王毅外相の次の外相と目されていた外交部筆頭事務次官の楽玉成氏が、国家広播電視局局長に就任する見込みだと報じた。楽氏はモスクワの中国大使館に2回勤務し、駐カザフスタン大使や駐インド大使を歴任した。米中関係や中ロ関係について演説し、中国の立場を強く主張する姿勢が目立っていた。習近平国家主席は「中国の国力を上げるためには中国の物語を国際社会に広げなければならない」と指示、発信力の強化に力を入れている。

[ウクライナ/米国/ロシア] 米国防総省は、ロシアが2月にウクライナに侵攻して以来、1,000両近くの戦車、30機の戦闘機、50機のヘリコプター、350門の大砲を失ったと推定している。これらの損失にもかかわらず、ロシアにはまだ多くの戦闘能力が残っていると思われ、ウクライナ軍高官は5月26日、ロシアによる侵攻が続く東部ルガンスク州の戦線でロシア側が優勢にあることを認めている。

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