2022年6月8日 (水)
[フィリピン] 6月7日、統計庁(PSA)は2022年5月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+5.4%だったと発表。伸びは3か月連続で加速し3年半ぶりの高水準となった。食料品やガソリン価格が上昇し、家計への負担が増加している。ドゥテルテ大統領は、大統領令を発動しコメ、トウモロコシ、豚肉、石炭の輸入関税率を引き下げている。4月の卸売物価指数は、前年同月比+8.3%、統計が確認できる2013年1月以降で伸びは過去最高となった。
[南アフリカ] 第1四半期のGDPは予想を上回る前期比1.9%増となった。前年同期比でも3.0%増となり、ようやくパンデミック前の水準に戻ったといえる。 生産面では、製造業が4.9%増と大幅にプラスとなり、卸売・小売業も3.1%増となった。第2四半期からは、4月にクワズールー・ナタール州で発生した洪水や停電の影響が出てくることから、成長は鈍化するとみられるものの、プラス成長が維持され、金融引締めも継続するとみられる。
[イラン] 6月6日からウィーンで始まった国際原子力機関(IAEA)の理事会で、グロッシIAEA事務局長は、イランの保有する60%濃縮ウランの量が43kgを超えたことや、3か所の未申告の場所からウランの痕跡が見つかった問題に対してイラン側から満足のいく回答が得られていないことなどの内容を含む報告書を発表した。今週の同理事会開催中に欧米諸国が提出したイランに対する非難決議が採択されると見込まれているが、決議内容次第ではイランからの反発が予想され、JCPOA再建協議にも影響しそうだ。
[米国] アメリカ自動車協会(AAA)は6月7日の全米50州のレギュラー・ガソリンの平均価格が1ガロン5ドルに迫る4.92ドルを記録したと発表した。わずか7日間で29セントも上昇し、カリフォルニア州やネバダ州など13州でレギュラー・ガソリンの平均価格が1ガロン当たり5ドルを突破しており、他州も追随することは確実な情勢。ガソリン価格の上昇をもたらしている要因は原油価格の高止まり、ガソリン需要の増大、ロシアのウクライナ侵攻の影響等がある。
[ウクライナ/ロシア/トルコ] ロシアのラブロフ外相が6月7~8日の2日間の日程でトルコを訪問する。ロシア軍が黒海沿岸を封鎖しており、ウクライナの穀物輸出が停滞しているとされる問題についても協議する予定。ロシアの侵攻でウクライナ南部の黒海沿岸などからの穀物輸出が滞っており、ウクライナ産への依存度が高い中東やアフリカで供給不安が起きている。
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