デイリー・アップデート

2024年11月8日 (金)

[メキシコ/米国] トランプ氏の政策がメキシコに影響を及ぼす可能性があるものとして貿易、投資、金融市場、金融政策、移民などが挙げられている。メキシコのシェインバウム政権は、米国・メキシコ・カナダ間での自由貿易協定であるUSMCAの改定などにおいて、譲歩を余儀なくされる可能性が指摘されている。

[モザンビーク/南アフリカ] 11月7日、首都マプトで、10月9日に実施された大統領選の結果に反対する数千人規模の抗議デモが行われ、治安当局が催涙ガスを使用したと報じられている。選挙後の抗議活動により、これまで20人強が死亡している。今回の選挙では無所属で出馬し、20%以上の得票を獲得したモンドラーネ氏は、与党FRELIMOが選挙の不正を行って勝利したとして、再集計を求めるなど徹底的な抗議を続けている。モザンビーク国内の治安悪化を受けて南アフリカは、モザンビークとの主要国境ゲートを封鎖。南アからの鉱物の輸送など物流にも大きな影響が生じている。

[フィリピン] 11月7日、統計庁(PSA)が発表した第3四半期(Q3、7~9月期)の実質GDP成長率(速報値)は、前年同期比+5.2%であり、Q2の+6.4%を下回り、5四半期ぶりの低水準となった。個人消費はわずかに回復したものの、台風の影響で大規模インフラ事業が滞り、政府支出の伸びが鈍化した。2024年通年の実質GDP成長率の政府目標は+6.0~+7.0%だが、1~9月期は+5.8%にとどまっており、目標達成にはQ4に+6.5%以上の成長が必要とされる。バリサカン国家経済開発庁長官は、クリスマス商戦や物価安定、政策金利引き下げ、台風被災地の復興が成長を押し上げると楽観視しているが、海外送金の伸びの鈍化、財政政策の引き締め、輸出需要の低迷が経済活動に影響を与え、成長は鈍化するとの見方もある。

[米国] 連邦準備理事会(FRB)は11月6~7日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを0.25%pt引き下げて、4.50~4.75%にすることを決定した。前回9月とおおむね同様に、経済活動が堅調なペースで拡大していること、労働市場が概ね軟化していること、物価上昇率が2%目標に向かっていることなどが確認された。また、次回以降について、パウエルFRB議長は、今後の利下げについてデータ次第と従来の姿勢を維持することで、明確な手がかりを示さなかった。

[ミャンマー/中国] 11月5~6日、ミンアウンフライン国軍司令官が中国の昆明を訪問し、第8回大メコン圏(GMS)首脳会議に出席した。同国軍司令官の訪中は2021年2月のクーデター後初めて。11月6日、同司令官は李強首相と会談した。李強首相は一帯一路の下、中国・ミャンマー経済回廊(CMEC)事業を着実に進めると強調した。また国境地帯でのオンライン賭博や詐欺を共同で取り締まるべきとして、ミャンマー国内で中国人や企業などの安全を確保するよう求めた。軍政の発表によれば、総選挙の実施への支持も表明した。ミンアウンフライン司令官はシャン州北部の少数民族武装勢力の攻撃に言及し、中国の仲介による停戦への期待を示唆した。

[米国] 11月7日、トランプ次期大統領は、第2期トランプ政権のホワイトハウスの司令塔となる次期大統領首席補佐官に、2024年米国大統領選挙でトランプ選対本部の共同会長に就任していたスージー・ワイルズ氏(67才)を起用する声明を発表した。女性の同ポスト起用は米国史上初となる。大統領選挙での勝利直後からトランプ政権移行委員会は人事や政策立案に着手し始めているが、ワイルズ氏の次期大統領首席補佐官起用が、人事面では初めての発表となった。

[ロシア] 11月7日、プーチン大統領は、ロシア南部ソチで開かれている国際情勢などを議論する「バルダイ会議」に出席し、世界各国の有識者などの質疑に応じた。米大統領選で勝利を確実にしたトランプ前大統領について「対話する用意がある」と述べ、トランプ氏の勝利を祝福した。プーチン大統領はトランプ氏がロシアとの関係を修復し、ウクライナでの「危機」の終結に寄与したいという考えを示していることは「少なくとも注目に値する」とも言及した。

[欧州/米国] 11月7日に欧州政治共同体の第5回サミットがハンガリーで開催された。トランプ前大統領の再選に際して、フォン・デア・ライエン委員長は、ヨーロッパの結束維持の重要性を、マクロン仏大統領は、ヨーロッパの自律性強化の維持の重要性を強調するなど、米国離れの兆候がうかがえる。

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