- [SpaceX IPO資料、中国・香港で閲覧制限]米宇宙企業SpaceXの新規株式公開(IPO)をめぐり、中国本土および香港から同社の公式ウェブサイトやIPO関連資料にアクセスできない状態となっていると、ロイターが報じている。SpaceXは約750億ドルを調達し、企業価値は1兆7,500億ドルと評価される見通しで、実現すれば史上最大規模のIPOの一つとなる。6月4日にニューヨークで機関投資家向けロードショーを開始し、説明資料をウェブサイト上で公開したが、中国本土と香港の利用者はこれらの資料を閲覧できない状況だという。
アクセス時にはCloudflareの「Error 1009」が表示されており、これは通常、ウェブサイト運営者が特定の国・地域からのアクセスを遮断している場合に発生する。香港のIT業界関係者は、こうした措置は一般的に企業側の判断によるものであり、中国政府による遮断とは考えにくいとの見方を示している。香港では近年、一部の米政府関連サイトへのアクセス制限の事例はあるものの、大手民間企業が香港の利用者を対象に同様の措置を取るのは比較的珍しいという。
SpaceXや主幹事証券会社は今回の措置についてコメントしていないが、市場関係者の間では、同社が単なる宇宙開発企業ではなく、衛星通信網「Starlink」を運営し、米国防総省とも深い関係を持つ防衛関連企業であることが背景にあるとの見方が出ている。香港の投資会社幹部は、中国の個人投資家はもともと主要な募集対象ではなく、アジアの機関投資家についても通常の米国IPO手続きを通じて投資可能であるため、資金調達への直接的な影響は限定的との認識を示した。
一方で、中国はTeslaの成功によりイーロン・マスク氏の知名度と人気が高い市場である。しかし、SpaceXに対しては米国で安全保障上の懸念が強まっている。2026年2月には民主党の上院議員2人が、中国資本が秘密裏にSpaceX株を取得している可能性を指摘し、国家安全保障上のリスクがないか国防総省に調査を求めていた。今回のアクセス制限も、こうした米中間の技術・安全保障競争を背景に、中国系投資家との接触を慎重に管理しようとするSpaceX側の姿勢を反映している可能性がある。
- [ボリビア、混乱続く]深刻な経済危機への不満と現政権への政治的反発から、デモと道路封鎖がおこなわれてからすでに5週間が経過したが、その影響はボリビア全体に広がり深刻化している。特に食料や燃料、生活必需品の不足が続いている。街頭での抗議活動そのものはやや弱まりつつあるものの、各地の封鎖はむしろ強化されており、物流が滞ることで経済的損失は拡大している。その結果、すでに上昇傾向にあるインフレ圧力がさらに強まり、脆弱な経済状況を一段と悪化させる懸念が高まっている。
こうした状況にもかかわらず、事態を打開するための選択肢は限られている。パス政権は混乱の収拾に苦慮しており、労働組合や農民組織が主導する抗議勢力を交渉の場に引き出せていない。双方の溝は依然として深く、大統領に対しては武力行使を検討すべきだという圧力も強まっている。
現時点では、非常事態宣言が発令されていないものの、発令されれば、政府は治安維持のために軍を動員し、特定地域での夜間外出禁止令の実施など強力な措置を取ることが可能となる。しかし、パス政権はこれに慎重な姿勢を崩していない。強硬措置によってさらなる社会的反発を招くリスクを警戒しているが、それでも現実には、封鎖の解除には軍の関与が不可避とみられており、状況次第では数日以内に非常事態宣言が発令される可能性が高い。
ただし、現時点ではパス政権が直ちに崩壊する可能性は限定的とみられる。大統領の支持率は2026年5月時点までは約52%と比較的高く、議会でも一定の支持基盤を維持している。議会での弾劾や辞任の受理には3分の2の賛成が必要であり、現状ではその条件が満たされる見込みは低い。また、国際社会からの支援も重要な支えとなっている。例えば、米国政府関係者は今回の混乱について、国際的な犯罪組織が民主秩序を揺るがそうとしている可能性に言及し、政権への支持を示している。
しかし、政権が存続したとしても、その統治能力は確実に低下する見通しで、IMFの支援を受けた経済改革の実行は一層困難になると考えられる。為替制度の統一や財政再建、制度改革といった施策は、もともと短期的には痛みを伴う改革であり、現在のような混乱下では強い反発を招きやすい。
さらに長期的にも、パスの政権運営には継続的な不安がつきまとうと考えられる。支持率は徐々に低下する可能性があり、政治基盤は次第に弱体化していく見通しとなっている。
現在のボリビアは短期的にも長期的にも不確実性の高い局面にあり、政治・経済の両面でリスクが蓄積している状態にある。情勢の安定化には時間を要するとみられ、今後の動向は国内外に大きな影響を与えることになる。
- [日本/毎月勤労統計調査(4月分速報)]6月5日、厚生労働省は4月の毎月勤労統計調査の速報値を発表した。規模5名以上の事業所について、名目賃金から物価変動の影響を差し引いた4月の実質賃金は、前年同月比+1.9%となった。3月の+1.4%から上昇し4か月連続のプラス。要因としては、最低賃金の引上げや春闘による賃上げの反映もあり名目賃金が伸びたことと、消費者物価指数(持ち家の家賃換算分除く総合)が3月の+1.6%から4月の+1.5%に鈍化したことが挙げられる。
名目賃金(基本給や残業代、賞与などを合わせた1人当たりの現金給与総額)は31万2,425円で前年同月比+3.5%。1992年3月以来、34年1か月ぶりに3か月連続で3%以上の伸び率となった。このうち、基本給にあたる部分の所定内給与は27万7,916円で+3.4%と、名目賃金を押し上げた。所定内給与に、時間外手当、休日・深夜手当などの所定外給与を加えた「きまって支給する給与」も29万9,096円と+3.4%で、3%を超える伸びが続いている。
就業形態別では、一般労働者の現金給与総額は403,170円と前年同月比+3.9%で61か月連続のプラス、所定内給与は354,800円で+3.7%。パートタイム労働者の時間当たり給与(所定内給与)は1,436円で+4.9%と、58か月連続のプラス。
産業別では、飲食サービス業の現金給与総額につき、前年同月比マイナスが続いていたが、4月は+1.8%と大きく改善した。
総実労働時間は、139.9時間と前年同月比+0.3%。就業形態別では一般労働者が+1.0%の167.8時間、パートタイム労働者が▲2.1%の79.2時間だった。
産業別で、一般労働者の総労働時間をみると、最も長いのは運輸業・郵便業で184.3時間と+3.3%。所定外労働時間も最も長く、25.8時間で+6.2%と高い上昇率となった。
- [米国/雇用統計]労働省によると、5月の非農業部門雇用者数は前月から17.2万人増加した。3か月連続の増加で、市場予想(8.5万人増)を上回った。4月は11.5万人増から17.9万人増へ、3月は18.5万人増から21.4万人増へそれぞれ上方修正された。
雇用者数の内訳をみると、娯楽・接客業(7.0万人増)や教育・ヘルスケアサービス(4.0万人増)、建設業(1.7万人増)、政府(5.2万人増)などが増加した。政府では、地方政府(5.5万人増)がけん引役だった。それに対して、金融(2.2万人減)や卸売(0.4万人減)、情報(0.2万人減)、小売(0.1万人減)が減少した。金融と卸売は3か月連続、情報は2か月連続の減少だった。
この中で、専門・ビジネスサービスのうち一時的雇用サービス(0.1万人増)は5か月連続で増加した。通常は、人手不足に対して一時的な雇用で対応するため、この増加は景気回復を示唆することが多い。しかし、現況は異なっており、中東情勢などを巡る先行き不透明感からの低採用・低解雇の中で、消極的な人手の確保として、一時的な雇用が活用されていることを示している。
5月の失業率は4.3%で、3月から横ばいだった。政府機関の一部閉鎖後の11月(4.5%)を除いて2025年下半期からおおむね4.3~4.4%の範囲を推移しており、安定している。連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の経済見通し(2026年3月時点)で長期の失業率は4.2%であり、足元の失業率はそれに近く、ほぼ完全雇用状態とも言える水準にとどまっている。
平均時給は前年同月比+3.4%。上昇率は4月(+3.6%)から縮小したものの、3月と同じだった。
前月比の上昇率は+0.3%で、4月(+0.2%)から小幅な加速にとどまった。所得環境にも大きな変化は見られなかった。
このような雇用統計の結果から、労働市場が安定していることが確認された。金融政策において「雇用の最大化」よりも「物価の安定」に注力できる状況とみなされ、市場では、年内利上げという見方が一段と強まった。
- [アルメニア議会選挙]6月7日に実施されたアルメニア議会選挙では、出口調査で親欧米路線を掲げ、隣国アゼルバイジャンとの和平を進めるパシニャン首相率いる与党「市民契約党」が優勢とみられている。もっとも、憲法改正に必要な議会の3分の2以上の議席を獲得できるかどうかは微妙な勢いである。
一方、最大野党で親露派の「強いアルメニア」は2割前後にとどまり、単独政党としては大差を付けられている。野党合計では過半数に達し得るものの、分裂や閾値、制度バイアスにより議席多数化は難しく、出口調査時点では与党優位が維持されているもようである。
今回の議会選を巡っては、パシニャン政権に不満を持つロシアの圧力の存在も指摘されている。ロシアは5月下旬以降、検疫問題を理由としたアルメニア産品の禁輸や天然ガス割引停止を示唆し、有権者に対露関係悪化への懸念を喚起したほか、偽情報や動員を含む選挙工作の可能性も報じられている。
今回の選挙は、2023年のナゴルノ・カラバフ喪失後の国家戦略を問う重要な分岐点となり、ロシア依存と欧米接近のいずれを選択するかが最大の争点となった。今後、政権維持の下で対欧米接近と和平路線が継続する見通しであるが、憲法改正の成否がその進展を左右する。
- [EU/西バルカン]コスタ欧州理事会議長はサミットに先立ち西バルカン6か国全てを歴訪し、各国首脳に改革加速を促した。サミットにはフォン・デア・ライエン欧州委員長のほか、マクロン仏大統領、メルツ独首相、メローニ伊首相ら主要国首脳が参加し、近年で最もハイレベルな会合となった。
拡大プロセスでは具体的な進展が確認された。モンテネグロは加盟条約の起草が開始され、2028年までのEU加盟が「現実的かつ達成可能」とされた。アルバニアは3つの交渉チャプター(政策分野別の交渉項目群)の閉鎖が提案され、セルビアは選挙法改正・司法改革の具体的日程を提示した。独仏は加盟候補国がEU機関や単一市場に段階的に参加できるアプローチを共同提案し、フォン・デア・ライエン委員長も前向きに評価した。
経済面では、60億ユーロの成長計画(改革と引き換えのEU支援資金)の進捗が確認されたほか、「Roam Like at Home」(EU域内携帯ローミング無料化)の西バルカンへの拡大交渉開始が決定された。安全保障面では、EU共通外交安保政策への足並み統一やハイブリッド脅威(サイバー攻撃・偽情報等)への対応強化、欧州平和ファシリティ(EU域外向け軍事支援基金)を通じた防衛協力が議論された。一方、共同宣言は採択に至らなかった。
全体として、地政学的緊張の高まりを背景に、EU拡大の政治的モメンタムが近年で最も高まっていることが確認されたサミットであった。
- [イランとイスラエルによる直接攻撃の応酬が発生]この週末、中東情勢はわずか1日足らずの間に急激に悪化した。発端は6月7日早朝、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラがイスラエル北部にロケット弾を発射したことだった。イスラエル軍はこれを迎撃したが、ネタニヤフ政権はこれを停戦違反とみなし、報復として同日朝、レバノンの首都ベイルート南部のダーヒエ地区を空爆した。同地区はヒズボラの拠点として知られ、イスラエルはヒズボラ司令部を標的にしたと説明している。空爆では死傷者が発生し、レバノンやイラン側は強く反発した。
イランは以前から「ベイルートが攻撃されれば報復する」と警告しており、その警告を実行する形で同日夜、イスラエルに対して弾道ミサイル攻撃を実施した。約10発のミサイルがイスラエル北部に向けて発射され、ラマト・ダヴィド空軍基地などが標的とされたとされる。しかし、イスラエル軍はほぼすべてを迎撃し、大きな被害や死傷者は報告されなかった。これは4月の停戦以降、イランによるイスラエルへの初の直接攻撃となった。
こうした中、トランプ米大統領は、イランとの核問題や停戦に関する交渉が最終段階に近づいているとして、事態の拡大を強く懸念した。トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、イランへの報復を控え、外交交渉に時間を与えるよう求めた。また、「イスラエルも攻撃し、イランも反撃した。これ以上は必要ない」と述べ、双方に自制を促した。
しかし、緊張緩和には至らなかった。イランによるミサイル攻撃を受け、イスラエルが報復に踏み切るとの見方が強まる中、イランは事前に西部空域の一部を閉鎖し、イラクやシリアも領空制限や空港運営の停止など警戒態勢を強化した。その後、6月7日深夜から8日早朝にかけて、イスラエル空軍はイラン西部および中部の軍事施設を攻撃したと発表した。首都テヘランやタブリーズ、イスファハンなどで爆発音が報告され、イスラエルはイランのミサイル攻撃への報復に踏み切った形となった。
要するに、この週末は「ヒズボラの攻撃→イスラエルによるベイルート空爆→イランによるイスラエル攻撃→イスラエルによるイラン攻撃」という報復の連鎖が短期間で発生した。米国は外交交渉維持のため沈静化を図ったが、当事者同士の軍事行動が続いたことで、中東は再び大規模な地域戦争へ発展するリスクが高まった。現時点では限定的な攻撃の応酬にとどまっているものの、今後の展開次第では、レバノン、イスラエル、イランの対立が直接衝突へ発展し、米イラン交渉や停戦努力を大きく揺るがす重大な局面となる可能性がある。
- [南アフリカ/不法移民問題]6月7日、シリル・ラマポーザ大統領は国民向け演説を実施し、国民の間で不満が高まっている外国人の不法滞在・就労について対策を強化すると発表した。
失業率が30%を超えている南アフリカ(南ア)では、不法移民が就業機会を奪っているとして過去にも繰り返し「外国人排斥運動(ゼノフォビア)」が発生しているが、3月以降、外国人(主にアフリカ系黒人)を標的とした襲撃や抗議活動が活発化している。こうした動きを受けて、ガーナ政府は南ア在住のガーナ人300人をチャーター機で避難させ、ナイジェリアも100人以上の自国民の帰国を促すなど、南アの内政のみならず外交上の問題にも発展している。
ラマポーザ大統領は今回の演説において、南アは外国人差別、人種差別などいかなる不寛容も存在しないが、全ての外国人は合法的に滞在・就労する許可を得ていなければならないと強調。不法移民のルートは組織犯罪と密接に結びついており、また、内務省における汚職や非効率性がしばしば不法入国を助長していると指摘した。そのうえで、具体的な施策として、①不法移民の取り締まりと迅速な国外退去の徹底、②国境の安全確保(難民受け入れセンターを国境に移転)、③内務省内の汚職の一掃とデジタルIDの導入、④外国人の雇用に関する上限の設定と不法就労者を雇用する雇用主に対する起訴の4つを挙げた。
このタイミングで南ア政府として移民問題対策を進める背景には、11月に5年ぶりとなる統一地方選が予定されていることがある。国政選挙と異なり、各自治体の首長や議員を選ぶ地方選では、より地域住民の生活と密接な問題が焦点となる。日々移民と隣り合わせで暮らす住民の不満は、投票行動に直結することから、支持率低迷にあえぐラマポーザ氏率いる最大政党・ANCは対処を急ぐ必要がある。実際に、3月以降、国内でたびたび実施されている反移民抗議活動の中心となっている団体に対し、「Action SA」や「民族の槍(MK)」などの野党が公式に支援を表明している。特にヨハネスブルグ市長を務めたヘルマン・マシャバ氏が党首を務めるAction SAは、汚職撲滅、不法移民問題への対処などを党の公約の柱としている。新興勢力として、同党は最大都市かつ最も多くの移民が居住するヨハネスブルグ市(約3割弱)を含め地方選に向けた支持固めを進めている。
- [インド経済]6月5日、インド統計局は第4四半期(2026年1~3月)の実質GDP成長率が7.8%であったと発表した。前四半期(7.9%)からやや減速したものの、依然として潜在成長率である7%を上回っている。通年の成長率は7.7%と、前年度の7.1%から加速した。
支出別では、GDP全体の3割を占める総固定資本形成(設備消費)の伸びが10.8%と堅調に推移した。政府によるインフラ整備が継続していることや、企業の設備投資が旺盛であることが背景にある。付加価値別では堅調な内需を背景にサービス業、特に「貿易・ホテル・運輸・通信・放送関連サービス」(GDPの14%を占める)の伸びが牽引した。ただ、4~6月四半期以降も高成長を維持できるかは疑問だ。特にイラン情勢の影響に関しては3月のみしか発現していない一方で4~6月四半期では3か月間全ての月で影響が顕在化することになる。例えばインド政府は5月上旬に金銀など関税引き上げや購入節約を呼びかけたほか、国営石会社が足元でガソリン・軽油価格を値上げするなど消費の下押し圧力を増やすような動きが続いている。加えて、エルニーニョ現象による少雨・高温とそれによる農作物の収穫量減少も懸念される。これにより、GDP成長率が低迷しないか留意が必要だ。インド準備銀行は今年度(2026年4月~2027年3月)の実質GDP成長率に関し、6.6%と今年度よりも1ポイント以上低い水準に着地すると予想している。
なお同日、インド準備銀行は金融政策決定会合にて政策金利を5.25%で据え置くと発表した。据え置きは市場予想どおり。加えて今回の会合では、外貨流入促進策が複数公表された。例えば、国営企業による外貨建て調達について、通常よりも有利な条件で中銀が為替スワップを提供するほか、海外に居住するインド人等が国内銀行に預ける3~5年物外貨建て預金に関して、銀行のヘッジコストを中銀が負担する。イラン情勢以降、インドルピーは米ドルに対して減価が続いてきた。湾岸諸国向けの輸出シェアが約15%と相対的に高いことや同地域に在住する移民(約900万人)からの海外送金減少懸念もあり、ASEAN5諸国など他のアジア新興国と比べても減価幅が相対的に大きい。これに対してインド中銀は為替介入により対応してきた結果、外貨準備高は2026年2月時点の7,284億ドルから5月末には6,892億ドルまで約7%減少した。ルピー売り圧力は残るなか、介入のみでルピーの減価ペースを抑制することは持続可能でないため、今回の施策を実施したものと考えられる。ただ、今回の施策が持続性のあるものか疑問視する声もある。例えば中銀による外貨建て預金のヘッジコスト負担については、今後もルピー安が続いた場合は為替差損発生により中銀の損失を拡大させる(純資産減少に繋がる)。政府が中銀から得る配当は、歳入全体の約8%を占める歳入源であるため、損失拡大が配当減少・歳入減少ひいては財政悪化拡大に繋がることが懸念される。中銀としてはイラン情勢による景気悪化懸念がある中で利上げを実施することが避けたい考えであるが、ルピー売り圧力が今後も残り、それにより中銀の損失が拡大することが見込まれる場合には利上げを強いられると考えられる。
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