米国/シリア
デイリー・アップデート
2025年07月01日
国際部
6月30日、トランプ米国大統領は大統領令により、518にわたるシリアの個人や団体を制裁対象リストから削除したことを発表した。シリア政府は、2011年に内戦が勃発する以前から経済制裁を長い間受け続けてきたため、米・シリア関係にとっても大きな転換点となる。シリアでは、2024年12月に、シリア北部を拠点としていた反体制派勢力シャーム解放戦線(HTS)によってアサド政権が倒されて政権交代が起きた。
トランプ大統領は、5月にサウジアラビアを訪問した際に、シリアに対する制裁を解除することを突然発表し、またシリアのシャラア暫定大統領と握手して面談を実施したことで世界を驚かせた。5月末には制裁解除の第1弾を発表しているが、今回の発表はそれに続くもの。シリアのシャイバニ外相は「トランプ大統領の歴史的な大統領令に従い、シリアに課せられた制裁措置の大部分が解除されたことを歓迎する」と発表した。
なお、政権が倒されてロシアに亡命したアサド大統領や彼の協力者、過激派組織「イスラム国」に対する制裁などに関しては今後も維持される。また、2019年のシリア民間人保護法(シーザー法)に基づいて米議会で義務付けられた制裁に関しては、再度米議会によって同法の撤廃が可決されない限り継続される。
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