カラチ/パキスタン ~愛しきパキスタンマンゴー~

アジア・オセアニア

2015年08月13日

アジア大洋州住友商事会社 カラチ事務所
室井 将孝

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市場に並ぶ(積み上げられた)マンゴーたち (筆者撮影)
市場に並ぶ(積み上げられた)マンゴーたち (筆者撮影)

• 農業大国パキスタン

 パキスタン・イスラム共和国は、約80万平方キロメートルの面積で日本の約2倍、2%に程近い年人口増加率で1億9,000万人を超えるのも時間の問題です。国連統計によればパキスタンの2013年名目GDP2,254億ドルの内、農業生産額は539億ドルの世界10位で対GDP比25%超に相当します。

 

 2012年耕地面積は約2,200万ヘクタールで世界15位、同年12位のトルコに肉薄し、同年17位のタイをしのいでいます(出所:国際連合食糧農業機関「FAO」)。同国の2013年農作物生産量において国別生産量で上位に入る品目は表1の通りですが、当コラムではカラチ駐在員の筆者が5月中旬~9月中旬の収穫期を楽しみにしている「パキスタンマンゴー」に注目していきます。

表1:2013年パキスタンの農作物生産量と国別生産量順位
(出所:FAOより筆者作成)

 

 

 

• マンゴー×日本

 日本では沖縄県産や宮崎県産が有名ですが、2012年の日本での生産量※1は年間約2,400トンで世界71位です。ちなみにパキスタンのお隣インドの生産量は2013年には1,800万トンで断トツの世界一位です。

 

 輸入量は約10,000トンで輸入先国別順位は表2の通りです。2011年に日本への輸入が解禁されたパキスタンからの輸入は、2013年に1,429キログラム、2014年には1,836キログラムと少量ながら年々増えてきています。

表2:2012年日本のマンゴー輸入量
(出所:FAOより筆者作成)

 

 

• パキスタンマンゴー

 マンゴーは世界で千をはるかに超えるさまざまな品種が存在するとされています。パキスタンのマンゴーは150種類以上と言われています。収穫時期は5月中旬~9月中旬で、中でも糖度が高く、香りが良く、繊維と酸味の少ない「SINDHRI(シンドリ/原産地パキスタンシンド州)」と「CHAUNSA(チョンサ/原産地パキスタンムルタン州)」の2品種は特に有名で人気もあり、これまでいろいろな産地のマンゴーを食べ比べた筆者としてもぜひたくさんの方に実際に味わっていただきたいお薦めの逸品です。

 

 

 

シンドリの果肉は少しだいだい色がかった深みのある黄色。濃厚な甘みが口いっぱいに広がります (筆者撮影)
シンドリの果肉は少しだいだい色がかった深みのある黄色。濃厚な甘みが口いっぱいに広がります (筆者撮影)
チョンサの果肉は淡くみずみずしい黄色。柔らかな食感と爽やかな甘みが印象的です (筆者撮影)
チョンサの果肉は淡くみずみずしい黄色。柔らかな食感と爽やかな甘みが印象的です (筆者撮影)

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