台北/台湾 ~テクノロジーとノスタルジーの街~
あっという間に他国に抜かれたものの、2004年に当時世界一の超高層建築物として竣工した「台北101(イーリンイー)」は、近隣にハイブランドのショッピングモールや百貨店が立ち並び、毎年西暦の新年にはビルから花火が打ち上げられ、多くの観光客が集まる世界的に有名な観光名所です。
一方で、日本のガイドブックには必ず載っている迪化街(ディーホアジェ)をはじめとする、昔ながらの商店街も台北市内には数多く存在しています。
このように、地下鉄やバスで数十分の範囲内に、なんでもかんでも詰まっている街、台北を紹介します。
台北での買い物ですが、日本人になじみの深い三越やSOGO(そごう)といったデパートに加えて「超級市場」(いわゆるスーパーマーケット)も数多くあり、食料品から日用品までほとんどのものをそろえることができます。
また台湾には「伝統市場」と呼ばれる、狭い店先で野菜や肉などを量り売りする店が並んでいる市場があります。ここでは中国語必須ですが、日本人がカタコトの中国語で四苦八苦していると、どこからともなく日本語が話せる現地の人が現れて助け舟を出してくれるのも、台北が日本人にとって住みやすい理由の一つと言えるでしょう。
住友商事が出資している美廉社(シンプルマート)というグローサリーストアは台湾全土で700を超す店舗を運営しており、繁華街から外れた住宅地に店舗を展開し、酒やタバコを中心とした地域密着型の、サザエさんでいう「三河屋さん」のような店です。
また、住友商事はドラッグストアのTomod's(トモズ)も台湾で展開しており、地域社会への貢献を果たしています。
台北市内の公共交通機関は地下鉄、バス、タクシーですが、いずれも料金がとても安く、多少乱暴なバスの運転に慣れさえすれば、市内の移動はとても便利です。また、自動車用の駐車場があまり整備されていないこともあって、運転免許が簡単に取れるスクーターが多くの台北市民の移動の足となっており、街にはスクーターがあふれています。
台湾政府は環境政策のひとつとしてスクーターのEV化(電動化)を推進しており、2035年には新車販売の全てをEV化する目標を掲げています。
住友商事は台湾の電動スクーターメーカーであるGOGOROに出資し、台湾政府のスクーターEV化政策の後押しをしています。最近では電動スクーターを気軽に体験できるように、台北市内でシェアリングサービスを開始し、ユーザーの裾野を広げる取り組みも行っています。
また台湾政府は台湾全島で約1万台といわれている市バスについても、2030年までに全面EV化する方針を打ち出しています。当社は2020年2月に台湾最大手の電動バスメーカーである華徳動能科技(RAC)にも出資を行い、再生可能エネルギーからEVそして蓄電という「クリーンエネルギーの循環型サイクル」の事業化に取り組んでいます。
台湾は半導体製造では世界一を誇っており、上述した電動スクーターしかり、最新スマホ用の電子部品しかり、時代の最先端を担う技術を持っている一方で、地元のおばちゃん達とじかに触れ合える「伝統市場」のような、日本でいう「昭和の雰囲気」的な空気も色濃く残しています。先進性と懐かしさを併せ持ち、日本人に対して非常に友好的でいつまでも大切な友として付き合っていきたいと思わせる人々がいる、台北はそんなところです。
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