チェンナイ/インド ~文化の街と産業の集積地という両面を持つ国際都市~

アジア・オセアニア

2023年03月29日

インド住友商事会社 チェンナイ支店
Pushpalatha Mohankumar

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カパレーシュラワ寺院(高さ40mの塔門がある)(写真提供:Pushpalatha Mohankumar)
カパレーシュラワ寺院(高さ40mの塔門がある)(写真提供:Pushpalatha Mohankumar)

 チェンナイはタミルナードゥ州の州都で、以前はマドラスと呼ばれていました。「南インドへの玄関口」としても知られています。インドで四番目に大きな都市であり、南部で最も人気のある観光地の一つです。

カパレーシュラワ寺院の夜景(写真提供:Pushpalatha Mohankumar)
カパレーシュラワ寺院の夜景(写真提供:Pushpalatha Mohankumar)

 

 チェンナイは、その伝統と文化遺産から、文化の街と呼ばれます。伝統的な食べ物からファーストフードまで、古代の寺院建築から現代の高層ビルまで、そして伝統音楽・舞踊から成長するナイトライフまで、古いものと新しいものが混然一体となり、ブレンドされた独特の文化を見せています。非常に多様な人たちを抱える近代的な国際都市でありながら、一方で歴史的な寺院などが放つ魅力を感じることができる都市でもあります。

 

 

 

1851年に建てられたマドラスミュージアム(写真提供:D.Srinivasan)
1851年に建てられたマドラスミュージアム(写真提供:D.Srinivasan)

 チェンナイの伝統的な建築物は、その建築史において幅広い年代に及んでいます。ドラヴィダ様式で建てられた古代寺院には、パラヴァ朝、チョーラ朝、ヴィジャヤナガラ王国など、さまざまな時代のスタイルが含まれています。街の郊外にあるマハーバリプラムの寺院は、パラヴァ建築の一つです。

 

 またチェンナイは、伝統的な古典舞踊と音楽が有名で、バーラタ・ナティヤムのような古典舞踊形式はよく知られています。伝統的な音楽、芸術、舞踊などに見られるタミルナードゥ州の芸術は、市民に浸透しています。

 チェンナイには多くの美術館やアートギャラリーがあり、市内には国内で最も古い美術館・アートギャラリーの一つ、マドラスミュージアムがあります。

 

 

 

チェンナイ市内を臨む(写真提供:Krishna Kumar)
チェンナイ市内を臨む(写真提供:Krishna Kumar)

 一方、産業に目を転ずると、チェンナイはインドの主要な自動車製造ユニットの存在により、「インドのデトロイト」というニックネームでも知られており、フォード、現代自動車、ルノー・日産、ロイヤルエンフィールドなどの大手自動車メーカー・二輪メーカーの製造施設のハブとなっています。住友商事が地場企業と共同でチェンナイ地区において展開する工業団地事業も、こうした製造業のニーズに応えるものとなっています。

 

 チェンナイの公用語はタミル語です。地元の人々は主にタミル語を話します。第二の公用語は英語のため、主要な看板はタミル語と英語の両方で書かれています。

 チェンナイは、外国人が最も訪問したインドの都市の一つで、2018年に世界で36番目に多くの人に訪問された都市としてランクインしました(2018年数値/ユーロモニター)。

 生活の質(QOL)調査では、インドで最も安全な都市として評価されています。

 

 ポンガルフェスティバルは、チェンナイで大規模に祝われる収穫祭です。農作物の収穫後(通常1~2月)、4日間にわたり行われます。気候的に快適なポンガルフェスティバルの時期にチェンナイを訪問し、「文化の街」と「産業が発達した国際都市」という両面を持つこの街の魅力を、ぜひ味わいに来られることをお勧めします。

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