ベロオリゾンテ/ブラジル ~隠れた魅力を紹介します~
ブラジルといえば、サンパウロ、リオデジャネイロあたりしか思い浮かばない方も多いのではないかと思いますが、ミナスジェライス州は人口2,000万人を超え全国2位、経済規模も全国3位を誇ります(2021年)。ミナスジェライスはポルトガル語で「あらゆる鉱山」を意味し、その名の通り、さまざまな鉱物や宝石が産出する地下資源の豊かな州です。1693年にオウロプレトで金が発見されてから、ゴールドラッシュを迎え、その後のブラジルの経済発展に大きく貢献しました。鉄鉱石も豊富に賦存(ふぞん)しており、当社もウジミナス(Usiminas)社との合弁でMUSA(Mineraçao Usiminas)という鉱山を保有しています。
ミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテは人口250万人(2021年現在)の大都市で、市外局番も11のサンパウロ、21のリオデジャネイロに次ぐ、31であり、かつてはブラジル第3の都市でした。今回はなんでも3位ぐらいで埋もれてしまいがちなわが街の魅力を紹介したいと思います。
カーニバルはリオのカーニバルだけじゃない!
カーニバルと言えば、リオのカーニバルが世界的に有名ですが、実はブラジル各都市でご当地カーニバルがあります。ベロオリゾンテでも以前からカーニバルで飲んで騒ぐ習慣はありましたが、5年ほど前から規模が大きくなり、ブラジル全土から観光客が押し寄せるようになりました。
リオのカーニバルのようなスタジアムでのパレード形式と違い、有名なバンドが路上やバスの上で演奏し、そのそばで観衆が飲み、踊り、歌います。普段は物静かなミネイロ(リオ出身の人をカリオカと呼ぶようにミナス出身の人をこう呼ぶ)もこの日はブラジル人気質全開で大騒ぎします。ちょっと買い物に出るのも大変なくらい道は人であふれかえります。
知られざる世界遺産の宝庫ミナスジェライス
ブラジルには現在23の世界遺産があります(2022年3月現在)。有名なのはイグアスの滝やリオのキリスト像などだと思いますが、ミナス州にもブラジル最初の世界遺産で1980年に登録されたオウロプレトをはじめ4つの遺産が登録されています。オウロプレトはポルトガル語で「黒い金」を意味し、ブラジルのゴールドラッシュ時代の植民都市の名残をとどめている街で、ブラジルの長い歴史を感じさせてくれます。
また、パンプーリャ湖周辺の近代建築群も世界遺産に登録されています。ブラジルで最も有名な建築家で、104歳で亡くなったオスカー・ニーマイヤーの若き日の作品が鑑賞できます。どちらも派手さはなく、じっくり歴史・文化を楽しむような場所ではありますが、ちょっとマニアックな世界遺産を希望される方にぜひ訪問してほしい場所です。
みんな大好きミナス料理
最後にミナスの伝統料理を紹介します。ミナスジェライスはコーヒー、カシャーサ(サトウキビの蒸留酒)、チーズの生産で有名ですが、ミナス料理も料理のカテゴリーとして認知されており、ブラジルのどこに行ってもミナス料理の店があります。
特徴は、家庭料理風の優しい味付けで日本からの出張者も皆さん「おいしい」と言ってくれます。特に鳥とオクラの煮込みは絶品です。海のない州で、日本人も少ないので、新鮮な魚や日本料理は楽しめませんが、地場の「お母さんの味」に日々癒やされています。
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