デイリー・アップデート

2022年9月1日 (木)

[米国/中国] 8月31日、米半導体大手のエヌビディアは、米当局からAI向けの2種の半導体について中国への輸出を停止するよう指示を受けたと発表した。対象となるのは機械学習を高速化するために設計された「A100」と「H100」。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も、AI半導体「MI250」の対中輸出ライセンスに関わる新たな通知を受け取った。エヌビディアは対象となった半導体の今四半期の売上として4億ドルを計上していたが、それが失われる可能性があるとしている。同社の株価は一時5.1%下落した。

[ロシア/イラン] 8月31日、イランのアブドラヒヤン外相がモスクワを訪問し、ロシアのラブロフ外相と会談を実施した。欧米の制裁下にある両国は、軍事・経済関係を強化している。アブドラヒヤン外相は記者会見で、欧州の指導者が提案したウクライナ紛争を終わらせるための「和平イニシアチブ」をラブロフ外相に伝達したことを発表。誰の提案かは明言しなかったが、イラン現地紙はこれがマクロン仏大統領であると報道している。イランがウクライナ紛争に関してロシアと欧州の仲介を公式に行っていることを発表したのは初めて。

[ブラジル] 10月2日に投票が行われるブラジル大統領選挙第1回投票まで約1カ月となったが、世論調査大手Datafolha公表の最新世論調査ではルーラ元大統領支持47%に対してボルソナロ大統領支持は32%とルーラ氏が二桁の15ポイントの大差で優位を維持している。大統領選挙のカギを握るのはミナスジェライス、リオデジャネイロ、サンパウロの「接戦州」3州であり、これらの地域はいずれの候補にも「忠誠を尽くさない」浮動票の有権者が集中している地域である。

[インド] 8月31日、統計・計画実施省は2022/23年度第1四半期(2022年4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比(以下同)+13.5%(36兆8,512億ルピー)だったと発表した。前期の+4.1%から急伸した。約6割を占める民間最終消費(個人消費)がCOVID-19抑制策の緩和により、これまで抑圧されてきた購買欲が旺盛になったことから+25.9%と大きく伸び、全体を押し上げた。一方で原油を含むコモディティー価格の高騰で輸入が+37.2%と成長の重石となった。

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、8月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+9.1%となり、7月の+8.9%から伸び幅を拡大させた。統計を遡れる1997年以降で4か月連続で過去最高を更新した。内訳をみると、エネルギーが+38.3%、食料品が+10.6%と上昇。それ以外の財も+5.0%、サービスは+3.8%と上昇している。また、国別にみると、ドイツが+8.8%だったのに対して、エストニアは+25.2%と、域内の物価上昇率には大きな相違がある。

[ロシア] ロシアは9月1~7日まで極東地域で大規模な合同軍事演習「ボストーク(Vostok)2022」を実施する。中国やベラルーシ、インド、モンゴル、シリアなどが参加する。国防省によると、各国の兵士計5万人以上と、航空機140機、艦艇60隻を含む5000以上の兵器が動員される。 ボストークの実施は2018年以来、4年ぶり。

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