デイリー・アップデート

2023年11月9日 (木)

[エチオピア] 連邦政府と反政府勢力オロモ解放軍(OLA)との和平交渉が、タンザニアのダルエスサラームで再開された。2023年5月上旬に行われた両者の最初の協議では、OLAが暫定政府の樹立を要求するなど乖離が多く、具体的な成果は得られないままわずか1週間で終了していた。今回の交渉も難航が予想されている。

[アルゼンチン] 11月19日、与党連合「祖国のための連合(UP)」のマサ経済相と右派政党「自由前進(LLA)」を率いるリバタリアンのミレイ下院議長とで争われるアルゼンチン大統領選挙決選投票が実施される。11月7日、マサ経済相は、決選投票の鍵を握るコルドバ州で次期大統領に当選した場合、新政権の次期経済相は野党連合から登用する意向を表明した。また、大豆、小麦、トウモロコシに課されている輸出税の段階的引き下げの議論も開始すると発言した。

[日本] 財務省「国際収支統計」によると、9月の経常収支は2兆7,236億円だった。内訳をみると、輸出額(前年同月比+2.6%)が増加した一方で、輸入額(同▲18.1%)が減少したため、貿易収支は1兆1,504億円と黒字に転じた。サービス収支は▲2,878億円となり、赤字が縮小した。保険・年金サービスの赤字拡大や知的財産権等使用料の黒字縮小によって、その他サービス収支で赤字が拡大したものの、旅行収支の黒字が拡大したため。また、第1次所得収支は、3兆764億円の黒字だった。

[ロシア/リビア] ロシアがリビア東部で軍事的プレゼンスを拡大する動きを見せている。プーチン大統領がリビアの軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハフタル司令官との防衛協定の締結に取り組んでおり、リビア港にロシア軍基地を創設する動きにつながる可能性もある。ロシアが地中海で基地を築けば、EU全域を偵察する能力を得ることになる。

[中国/日本] 一汽トヨタは、10月~11月に続き、12月~来年2月も減産を継続すると発表した。販売店に対する割当を12月:6.6万台、1月:6万台、2月:3.8万台と下方修正し、当初の計画比で▲20%以上とする。同社は、過剰在庫と資金難に直面する販売店の負担軽減のためと説明している。2018年に発表した販売台数目標は2022年に100万台であったが、達成できなかった経緯もある。また、2023年1~9月、中国日系OEM全体の累計販売台数は261.27万台(前年同期比▲15.4%)、市場シェアは2022年の20.0%から17.2%に低下し、日系OEM全体でも厳しい局面を迎えている。

[米国] 11月8日、ブリンケン国務長官は、G7外相会合出席のため訪日した。同氏は、中東情勢に関してメディアから問われ、即時停戦という選択肢は、イスラエルにとっても国際社会にとっても受け入れ難い選択肢であることを説明し、同時にガザ地区からのパレスチナ人の追放やイスラエルによる再占領も米国は反対であると発言した。パレスチナ自治政府が、西岸・ガザ両地区を統治する形でイスラエルと併存するための具体的条件を模索する必要があると述べ、米国の外交姿勢を明確に打ち出した。

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