デイリー・アップデート

2023年12月14日 (木)

[アジア太平洋] 12月13日、アジア開発銀行(ADB)は、アジア太平洋地域(アジア途上国:46か国の同地域内の途上国対象)の経済見通しを発表した。ADBは、同地域の経済見通しは、世界的な経済減速や地政学的なリスクといった困難な状況に直面しているにもかかわらず堅調であるとした。2023年の成長予測は、強固な国内需要に支えられ、2023年9月の見通しから上方修正し、4.7%から4.9%とした。2024年の予測は4.8%と9月時点から据え置いた。インフレは、2022年の4.4%から2023年は3.5%(9月時点3.6%)、2024年は3.6%(9月時点3.5%)に上昇すると予測している。

[米国] 連邦準備制度理事会(FRB)は13日に、連邦公開市場操作委員会(FOMC)を開催、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを5.25~5.50%に据え置くことを決定した。据え置きは3会合連続。パウエルFRB議長は、インフレとの闘いでの勝利宣言は時期尚早と、追加利上げの選択肢を排除しなかったものの、利下げについて議論したことを明らかにした。FOMC参加者は、2024年末までの政策金利(中央値)が0.75%pt引き下げられると予想している。

[韓国/中国] 香港紙SCMPは、造船業界における韓国と中国の競争について、韓国は高付加価値の船舶製造における優位を維持しようと努め、政府は高付加価値船舶の製造に関わる技術輸出規制の強化などを進めているが、バリューチェーンの上位を目指す中国企業の猛追を受けているとしている。2022年世界で引き渡された新造LNG船と載貨重量25万トン以上の大型原油運搬船の89%は韓国企業によるものであったが、年間竣工隻数と受注隻数は中国が上回った。韓国サムスン、HD現代、ハンファ(大宇)は注文を多く受けているにもかかわらず、人手不足が足かせになっていると海事コンサルのクラークソンズは分析している。

[米国/アイルランド] 米国とアイルランドで自動車保険が話題になった一日。アイルランド中銀のデータによれば、パンデミック後の事故率とインフレによる賠償額の急増を背景に自動車保険金請求費用が昨年比25%上昇、部品や人件費が費用高騰に寄与したとみられる。米国でも車両価格高騰、保険金請求の増加、運転パターンの変化が組み合わさり、保険料の押上げとなっている。CPIのデータでは前年比約+19%となっている。損失となっている保険会社もあるため、保険料の上昇は続く見通し。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。
<  2023年12月  >
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31