デイリー・アップデート

2024年3月29日 (金)

[メキシコ] 財務省は、25年度予算の暫定指針を提出した。政府は、財政赤字が24年度にはGDP比5.9%に増加すると見込んでおり、債務残高対GDP比は50.2%に上昇することになる。24年度の赤字見込みが増加したのは、主に国債市場の利回りが高まったことが原因。

[米国] 農務省は3月28日、米国農家の2024年作付意向調査結果を公表。トウモロコシ・小麦・ソルガム・大麦などが減り、大豆・綿花などが増えるが、主要品目の合計作付面積は減少する見込みで、低価格が作付意欲を阻害したもよう。トウモロコシの作付予定面積は9,004万エーカー(前年比▲4.9%)と市場予想以上の減少。大豆は国内でバイオ燃料用の大豆圧搾需要増加などを背景に、作付予定面積は8,654万エーカーと前年比+3.5%だが、輸出需要は伸び悩んでいる。小麦は全体では前年比▲4.2%の4,750万エーカー、内訳では冬小麦が▲7%の3,414万エーカー、春小麦・デュラム小麦の面積は増加見込み。これはあくまで計画であり、実際は南半球の収穫高や米国の作付期の天候などに左右される。

[韓国] 3月28日から、韓国総選挙(4月10日投開票)に向けた公式選挙運動期間が始まった。小選挙区254区のうち、与党「国民の力」が優勢とみなしているのは82区、野党「共に民主党」が優勢とみているのは110区、両党の勢いが拮抗している区が約60区となっている。娘の不正入学などで辞任に追い込まれた曺国(チョ・グク)元法相が立ち上げた新党「祖国革新党」は第3政党として注目を集めるようになっており、10議席獲得を目指している。

[米国/イスラエル] 3月27日、米ホワイトハウス報道官は、イスラエルが2日前にキャンセルしたイスラエル政府高官のワシントンへの派遣をイスラエル側が再考し、派遣の日程調整を行っていることを明らかにした。3月25日の国連安保理で、ガザでの即時停戦を求める決議案に米国が拒否権を行使せずに決議案が採択されたことにネタニヤフ首相が反発し、ワシントンへの高官派遣をキャンセルしていた。イスラエルが近く行うとみられるラファハへの地上侵攻について米側が懸念を示しており、本件に関する協議が行われる予定。

[アルゼンチン/コロンビア] コロンビア外務省は、アルゼンチン・ミレイ大統領によるコロンビア・ペトロ大統領に対する中傷的な発言を受け、アルゼンチン外交官の追放を命じた。外務省は3月27日に、「ミレイ大統領の発言は民主的に選出されたペトロ大統領の尊厳を傷つけるだけでなく、我が国の信頼を悪化させた」との声明を発表している。ミレイ大統領はCNNとのインタビューでペトロ大統領を「テロリスト」「共産主義者」と呼んだとされているが、このインタビューはまだ全文放送されていない。コロンビアとアルゼンチンの関係は歴史的に安定してきたが、ミレイ大統領選出以降、関係は著しく悪化している。また、ミレイ大統領の批判の矛先は、メキシコのロペス・オブラドール大統領へも向かっていると伝えられている。

[タイ] 3月21日、タイの調査会社であるカシコン・リサーチセンターは、2024年の新車販売台数が前年比▲3%の75万台前後になると予測した。中国の電気自動車(EV)メーカーの参入により競争が激化し、値下げが相次ぐものの、購買力の回復が遅れているため効果は限定的になると見込んだ。タイ国トヨタ自動車(TMT)によると、2023年のタイの新車販売台数は▲8.7%減の77万5,780台だったが、EVの販売は急増し、比亜迪(BYD)を含む中国系4社のシェアが10.9%となった。TMTが3月27日に発表した2024年2月のタイの新車販売台数は、前年同月比▲26.1%の5万2,843台だった。

[日本] 経済産業省によると、2月の鉱工業生産指数は前月比▲0.1%と、市場予想に反して2か月連続で低下した。自動車工場の生産停止や大雪の影響などから、全15業種中、自動車など7業種が低下した。基調判断は「一進一退ながら弱含み」に据え置かれた。また、2月の小売業販売額は前月比+1.5%と2か月連続で増加した。ただし、2023年末にかけて弱めの動きだったこともあり、基調判断は「一進一退」に据え置かれた。

[ウクライナ] 3月28日、ゼレンスキー大統領は、ジョンソン米下院議長と電話会談し、ウクライナに対する新たな軍事支援を「議会で迅速に可決することが極めて重要だ」と伝えた。また、ゼレンスキー大統領は米CBSインタビューで、ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍が「5月末か6月に反攻を始める」との見通しを示した。

[EU] 3月のEUサミットで、2016年2月に加盟申請し、2022年10月に正式な加盟候補国となったボスニア・ヘルツェゴヴィナの加盟交渉の開始が決定された。民主主義、国家機能、法の支配、基本的権利、行政改革に関する法律がボスニア・ヘルツェゴヴィナ議会で可決されたことが評価された。ただし、ミシェルEU大統領は、同国のさらなる改革努力の必要性も強調している。

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