集中力
社長コラム
2021年08月23日
住友商事グローバルリサーチ(株)代表取締役社長
住田 孝之
コロナ禍の下で開催された東京五輪。スポーツが大好きな私も、いろいろな種目をテレビ観戦し、名場面に感動し、大会を支えるスタッフに感謝しながら、集中力を持続することの大切さ、難しさ、持続のためのヒントについて多くの気付きを得ました。
卓球の混合ダブルスで、水谷隼選手と共に初めて中国ペアを破り金メダルに輝いた伊藤美誠選手。その彼女ですら翌日の個人戦初戦では、序盤にゲームを奪われ大苦戦。最終的には見事勝利したものの、前夜の感激から一日でシングルスへの集中力を回復するのは容易ではなかったと思います。一方、ソフトボールの日本代表。予選リーグでは米国に敗れながら、決勝ではその米国に雪辱して金メダルを獲得。最初の試合で無理をしなかったことが次の試合での集中を可能にしたのでしょう。そして、柔道の混合団体戦。前日までの個人戦で男女14階級で9つの金メダルを獲得し、各個人としての目標を達成した選手たちが、団体戦では気負いもあってか力を出し切れませんでした。見事に集中力を持続したのは、全勝で金メダルを決めた野球の日本代表、金メダル2つを獲得した水泳の大橋悠依選手と体操の橋本大輝選手でした。いずれも連日の勝負でなかったことが幸いしたようにもみえます。大橋選手の場合は、逆にリラックスしたことが2つ目につながり、橋本選手の場合は、1つ目で自信を深めて次につなげたようでした。無観客というのも、過度に気負わないですむ原因だったかもしれません。続いて開幕するパラリンピックにも注目していきたいと思います。
仕事の世界でも、集中力を持続し成果を出し続けることは容易ではありません。一呼吸置くとか、楽しむ気持ちになるとか、気負わないとか、さらに次を目指すとか、各人それぞれのやり方で、肝心な時に力が出し続けられるようにしたいものです。
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