2023年11月7日 (火)
[インドネシア] 11月6日、中央統計局は、第3四半期(7月~9月)の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.94%だったと発表した。前四半期の+5.17%から減速し、2021年以来8四半期ぶりに5%を下回る結果となった。第3四半期の名目GDPは5,296兆ルピア(約51兆2,000億円)、実質では3,124兆9,000億ルピアだった。内需は堅調だが、輸出が落ち込み全体の成長を抑制している。特に、中国経済の低迷がインドネシア経済にとって逆風になっている。今後も中国の景気低迷など外需の不透明性に注意が必要であるが、税優遇措置の導入や低所得者層への支援に加え、2024年の大統領選挙や総選挙向けの政府支出の増加により、成長率が5%程度に回復する可能性がある。
[日本] 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、9月の現金給与総額(名目賃金)は前年同月比+1.2%となり、8月の+0.8%から上昇率を拡大させた。所定内給与(基本給)は+1.5%、所定外給与(残業代)は+0.7%と増加した。一方で、特別に支払われた給与(ボーナスなど)は▲6.0%と、2か月連続のマイナスになった。実質賃金は▲2.4%と、2022年4月以降、18か月連続でマイナスになっている。
[中国/日本] 11月6日、パナソニックホールデングス楠見社長が中国輸入博覧会を視察した際に、中国第一財経が取材を行った。楠見氏は、「中国はパナソニックにとって最も重要な市場の一つであり、中国のスピードに沿って中国事業を推進させるため、投資を継続する」と述べた。また、同社副社長で中国総代表の本間氏は、「中国は製造大国であるだけでなく、消費大国、エンジニアリング大国、イノベーション大国でもあり、『日系企業の研鑽の場』でもある。中国で発展できなければ、グローバルでの発展も困難」との見方を示した。
[米国/中国] 米財務省は、11月9~10日、米中経済協議をサンフランシスコで開催すると発表した。APEC(アジア太平洋経済協力)財務相会議に先立って、イエレン財務長官と中国の何立峰副首相が会談する。サンフランシスコでは、APEC首脳会議にあわせて米中首脳会談も予定されており、閣僚レベルで経済課題をあらかじめ討議する形となる。2023年4月に財務長官が行った対中経済関係に係る演説では、米国は、①国家安全保障の確保、②米中両国の経済成長、③グローバル課題に対する米中協力の3点を指針として、対中経済外交に臨む、と発言している。
[米国] 11月5日、ニューヨークタイムズ紙とシエナ大学は、アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシンといった大統領選挙の主要激戦州6州の「バイデン対トランプ」の仮想対決などに関する最新共同世論調査結果を公表した。ウィスコンシン以外の5州でトランプ氏が優位となっており、これら主要激戦州6州はバイデン氏が2020年大統領選挙ですべて勝利していることを踏まえると、現時点での劣勢はバイデン氏の再選に対する黄色信号となりかねない。
[ロシア] プーチン大統領は2024年3月の大統領選への出馬を決めたとみられ、近くその発表があるとの見方が強まってきた。先月、71歳となったプーチン氏は依然として国内において支持率が高く、出馬すれば誰も対抗できない状況になり、再選が確実と思われる。再選すれば、少なくとも2030年まで権力の座を維持することになる。
記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。
レポート・コラム
SCGRランキング
- 2024年10月5日(土)
共同通信の取材を受け、当社シニアアナリスト 足立 正彦のコメントが『中国新聞』に、掲載されました。 - 2024年10月3日(木)
『日本経済新聞』に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行のコメントが掲載されました。 - 2024年10月1日(火)
金融ファクシミリ新聞・GM版に、当社シニアエコノミスト 片白 恵理子が寄稿しました。 - 2024年10月1日(火)
『日本経済新聞(夕刊)』に、米州住友商事会社ワシントン事務所長 吉村 亮太が寄稿しました。 - 2024年10月1日(火)
『日本経済新聞』に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行のコメントが掲載されました。