デイリー・アップデート

2023年12月5日 (火)

[米国/ウクライナ] バイデン大統領は、対ウクライナ追加支援を米議会に対して承認するよう訴えている中、12月4日、米行政管理予算局(OMB)のヤング局長は、ジョンソン下院議長ら米議会指導部に対して書簡を送付し、2023年末までに米国の対ウクライナ支援予算が枯渇する状況について、米国防総省、米国務省、米国国際開発庁(USAID)の各予算使用状況を詳細に説明しつつ警告した。ヤングOMB局長は同書簡の中で、至急対ウクライナ追加支援を承認する必要を強く訴えている。

[日本] 総務省「消費者物価指数」によると、11月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)は前年同月比+2.6%だった。上昇率は10月の+3.2%から、2か月ぶりの縮小となった。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は+3.6%、3か月連続で上昇幅を縮小させたものの、高い伸びを維持した。食品の価格上昇が目立つ中、サービス価格が+2.3%と10月の+2.1%から拡大、消費税率引き上げ時期を除くと、1994年1月に並ぶ約30年ぶりの上昇率だった。

[中国/日本] 12月4日、広州ホンダ(広汽本田汽車)は、派遣社員900人の削減を発表した。リストラ対象者に対して経済的な補償を行うとともに、再就職支援に協力するとしている。人員削減は同社設立以来初めてであり、削減率は従業員数1.26万人に対し7%に達する。販売台数については、2021年が前年比▲3.17%、2022年が同▲4.93%と2年連続で減少し、2023年1~10月の累計生産台数は52.05万台で、前年同期比▲20%に達している。一方、新エネルギー車への転換を始めようと2021年10月に新型EVモデル5車種を発表、2030年以降はEVとHVに特化すると宣言するとともに、2024年にはEV専用新工場のラインオフ(稼働開始)を予定している。

[イスラエル/パレスチナ] 12月4日、イスラエル軍はガザ全域で空爆を実施し、さらにガザ南部への地上侵攻も開始したもよう。イスラエル軍はガザを2,300以上の区域に分割し、該当地区に住む住民には、空爆や攻撃を実施する前にほかの地区への退避を促す方法を取っているが、スマートフォンでQRコードを読み取ることが必要とされており、またそもそも同地区には電気やインターネットへのアクセスを持たない住民も多く、この退避アラートの有効性には疑問符も付いている。また同日、緊急事態令とともに延期されてきたネタニヤフ首相の汚職疑惑に関する公判が再開された。

[ロシア/中東] プーチン大統領は週内にアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを訪問する予定。ウクライナ侵攻を受けて国際社会で孤立を深めるプーチン氏の2023年の外遊先は、ほぼ旧ソ連諸国か中国だった。同氏が中東地域を外遊するのは異例だが、ロシアとサウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」で主導的な立場にあり、今回のサウジ訪問は両国にとって重要な意味を持つとみられる。

[中国] 中国裁判所の資料によると、中国の18~59歳の債務不履行者(ブラックリスト入り)の数が854万人となり、2020年の570万人から増加した。中国の法律では、ブラックリスト対象者は、航空券の購入やモバイルアプリでの支払いを含む幅広い経済活動が禁止されている。中国には個人破産法が存在しないことも、債務不履行者の生活立て直しを困難な状況にしている。北京のシンクタンク・国家金融與発展研究所のデータによると、過去10年で中国の家計債務のGDP比は約2倍になり、9月にはGDP比64%に達した。

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