デイリー・アップデート

2023年12月8日 (金)

[タイ] 11月下旬、タイ観光局は、1~11月下旬までの外国人旅行者数が2,390万人に達したと発表した。年間目標2,800万人にはまだ達していないことになる。2,390万人の外国人旅行者のうち、約300万人が中国からの旅行者だったが、6月に設定された約400万人の目標を下回ったため、当局は2023年の中国人旅行者の目標を340万人に引き下げた。中国からの旅行者数が低い主な理由として、中国国内での景気減速による海外旅行へのマインドの低下、タイ国内での中国人に対する治安の悪化などが挙げられる。

[日本] 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、10月の名目賃金(現金給与総額)は前年同月比+1.5%となった。内訳をみると、所定内給与(基本給)は同+1.4%、所定外給与(残業代)は同▲0.1%だった。その一方で、消費者物価指数(帰属家賃を除く総合)が同+3.9%と上昇した影響から、実質賃金は同▲2.3%となり、19か月連続でマイナスになった。

[米国] 12月6日、上下両院軍事委員会は、2024年度国防授権法案の両院協議の結果を発表した。国防予算は8,860億ドル規模となる見込み。12月11日以降、議会で採決が進む予定だが、人工妊娠中絶関連費用等の扱いをめぐり下院共和党右派が反発しており、共和党内で混乱が広がる可能性がある。下院共和党の一部が反対をしても、法案自体は可決されるとみられる。また、対外投資審査制度については上院案では盛り込まれていたものの、両院協議案からは削られている。

[アルゼンチン] 大統領選挙決選投票で次期大統領に当選した右派政党「自由前進(LLA)」を率いるミレイ氏は、12月10日に大統領に就任する。政権発足を控えてミレイ次期大統領は閣僚などの主要人事の最終作業に取り組んでおり、経済政策を主導する経済相には、中道右派のマクリ前政権で中銀総裁等を歴任したカプト氏を起用する。選挙キャンペーン中にミレイ氏はエスタブリッシュメント(既成勢力)の打破を訴えていたが、経験豊かなベテランを起用するもよう。

[ロシア] 12月7日、ロシア上院は、2024年3月17日に大統領選挙を実施することを全会一致で決議した。これを受けて中央選挙管理委員会は12月8日に会合を開き、選挙運動期間の開始を宣言する。投票は3日間に渡り行われることが提案され、同委員会はこれについて協議する。プーチン大統領はまだ出馬を正式に表明していないが、通算5選に向けて出馬し、圧勝するシナリオが確実視されている。

[米国/UAE/中国] 11月末、NYT紙がUAEのAI企業G42を通じて、米国の先端技術が中国に流出することを米国諜報機関が懸念していると報じた。記事によれば、6月にサリバン米大統領補佐官は、UAEのタフヌーン国家安全保障局顧問に対し、米国が安全保障上の脅威とみなす中国の大手企業とG42の協力について警告し、米政府はG42に対し制裁を科す可能性さえ示唆した。10月にはChatGPTを開発したOpenAIとG42の提携が発表され、米国はUAEにこの件での圧力を強めているとしている。

[中国/米国] 12月7日、安徽省証券管理監督局は、中国第5位の電池メーカーであるGotion High-tech(国軒高科)に対し、「上場会社情報開示管理弁法」に定める情報開示の適時性に反する」という警告を行った。Gotionは、2023年9月7日、米イリノイ州政府とEV用電池生産に関する補助金協定に調印したにも関わらず、1か月以上が経過した10月12日にこの投資情報を開示した。このプロジェクトは、投資規模が20億米ドル、2024年の稼働を予定し、リチウムイオン電池を生産する。イリノイ州から5.36億米ドルの補助金を受けるほか、向こう30年間で合計2.13億米ドル相当の税優遇を受ける。

[イスラエル/パレスチナ] 12月6日、グテーレス国連事務総長は国連安全保障理事会に緊急レターを発出し、ガザで発生している人道危機を止めるための人道的停戦をあらためて要請した。国連憲章99条は、「事務総長は国際的な平和と安全の維持を脅かすと考える事態に関して安保理に注意を呼び掛けることができる」と定めているが、この条項が実際に行使されることは非常に珍しく、前回行使されたのは1989年のレバノン危機の際のこと。これを受けて12月8日には安保理会合が開催され、即時人道的停戦を求める決議案が採決される予定。

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