デイリー・アップデート

2024年6月3日 (月)

[米国/欧州] 米商務省によると、米国の4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+2.7%、食品とエネルギーを除くコア指数は+2.8%と、3月と同じだった。今後の利下げを見通す上で、大きな材料にはならなかった。一方、EU統計局(Eurostat)によると、5月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+2.6%となり、上昇率は4月(+2.4%)から小幅に拡大した。ECBの6月利下げ観測を変えるような材料にならなかったとみられている。

[原油] 6月2日、OPECプラスは閣僚級会合を開催。①OPECプラスとしての協調減産を2025年12月まで延長する一方、2025年にUAEの生産割当を日量30万バレル増やす、②8か国が自主的に行っている日量計220万バレルの追加減産は、2024年9月まで現在のまま継続し、10月から1年間をかけて計画的・段階的に減産を緩和することが決まった。UAEなど、生産能力増強に投資している加盟国は増産を望むが、米国・ブラジル・ガイアナ等、非OPEC加盟国の増産で世界の需要増加分をほぼカバーできる状況下、OPECプラスの増産余地は乏しい。当初、本会合はオンライン開催予定だったが、サウジアラビアは急遽リヤドに各国大臣を招集し、将来の減産緩和の方向性を示すことで協力体制継続をはかったとみられる。

[南アフリカ] 6月2日、選挙管理委員会(IEC)は5月29日に行われた国民議会総選挙の最終集計結果を発表した。投票率は前回2019年の66.0%から、58.6%に低下した。政党別得票率では与党・アフリカ民族会議(ANC)が40.2%にとどまり、前回の57.5%から得票率を落とした。2位は最大野党・民主同盟(DA)で21.8%、3位は初の国政選挙参加となった民族の槍(MK)党で14.6%となった。与党ANCの得票が過半数を割り込んだことにより、同党を中心に連立与党組成に向けた政党間の交渉・駆け引きが続く。憲法上、最終選挙結果の発表から14日以内に国会の召集が行われる。

[米国] トランプ前大統領は、大統領在職中の2020年に、動画投稿アプリTikTokを禁じる大統領令に署名しているが、2024年3月、従来の立場を転換し、TikTok禁止に反対の立場を表明した。米国内でのTikTok利用禁止を継続した場合、Facebookを運営するMetaがさらに大規模化することへの懸念としている。6月1日、トランプ氏はTikTokのアカウントを開設して初投稿したが、若年層を中心として広く利用されている同アプリを、選挙戦でのメッセージング・ツールとして利用する狙いがあるとみられる。

[インド] 5月31日、統計・計画実施省は2023/24年度(23年4月~24年3月)の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率が前年度比+8.2%だったと発表した。2022/23年度の+7.0%(改定値)から加速した。所得増などを背景にGDPの6割近くを占める民間最終消費(個人消費)の成長率が+4.0%、政府によるインフラ投資などが加速しGDPの3割を占める総固定資本形成が+9.0%と全体をけん引した。2024年1~3月期の成長率は前年同期比+7.8%であった。前四半期の+8.6%(改定値)から減速した。インド準備銀行は5月30日、年次報告書を発表し、2024/25年度の成長率の見通しを+7.0%とした。

[ロシア/中国] 中国とロシアの経済協力における目玉案件である新規ガスパイプラインの建設計画「シベリアの力2」については、ロシアが建設に前向きだが、ガスの販売価格面などで折り合いがつかず、二国間の交渉は難航している。事情に詳しい関係者によると、中国はロシアの多額の補助金を受けたロシアの国内価格に近い金額でガスを購入したいとしており、またパイプラインでの年間輸送能力500億立方メートルの内、ごく一部しか購入しないという条件などを出しているという。

[ドイツ/ウクライナ/ロシア] 5月31日、政府は、西側諸国が供与した武器を使ったウクライナによるロシア領土内の攻撃に関して、ウクライナには、国際法上、ロシアの攻撃からの自衛権があるとして、ドイツが供与した武器を使った越境攻撃を認める文書を正式に発表。ロシアとの対立激化を回避するための武器使用制限を解除するという、重要な政策転換となる。

[ミャンマー] 5月27日、軍政がアウンナインウー国家統治評議会(SAC)議長室相の退任を承認したと発表した。理由は明らかにしていない。アウンナインウー氏は2010年代に投資企業管理局(DICA)のトップなどを務め、2021年2月のクーデター直後、投資・対外経済関係相、商業相、第1連邦政府相、SAC議長室相を歴任してきた。

[米国/イスラエル] 5月31日、バイデン米大統領はガザでの紛争に関する停戦提案を発表した。提案は3段階になっており、まずイスラエル軍がガザの人口密集地から軍を撤退させ、ハマスはガザに囚われている125人の人質のうち老人や女性などを解放、イスラエル側はパレスチナ人数百人を釈放する。また支援物資を積んだトラック1日600台の搬入を許可し、双方が恒久的停戦に向けた協議を行う。第2段階でイスラエル軍はガザから完全撤退し、ハマスは残りの生存する人質を全員解放し、第3段階で遺体となった人質の引き渡しと、今後数年間かかるガザの復興計画に着手する、という内容。

[米国/ウクライナ] 5月31日、バイデン政権はウクライナ産鉄鋼に対する関税免除措置を1年間延長すると発表した。米国は2018年来、通商拡大法232条に基づき、輸入鉄鋼・アルミ製品に対して追加関税を賦課してきたが、2022年5月、バイデン政権はウクライナ産鉄鋼を当該関税の対象から除外することを決定。この度、二度目の延長を発表し、ウクライナ産鉄鋼は2025年6月1日までは25%の追加関税が免除される。バイデン政権は、ウクライナの鉄鋼産業が置かれている苦境は変わらず、またウクライナ産鉄鋼の対米輸入は全輸入量の1%にも満たないことを、免除措置継続の理由に挙げた。

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