デイリー・アップデート

2024年6月6日 (木)

[カナダ] カナダ銀行は6月5日、政策金利(翌日物金利)の誘導目標を5.0%から4.75%に引き下げることを決定した。2020年3月以来、4年3か月ぶりの利下げだった。4月の消費者物価指数は前年同月比+2.7%と、中銀目標の2%に向かって縮小しつつあり、経済も軟着陸に向かっている。今後については、物価上昇率が2%に向かっているという確信が強まるならば、更なる利上げを行う合理的と、追加利上げの方針を示した。ただし、政策金利の決定は会合ごとに行うとして、慎重な姿勢も見せている。

[ベトナム] 中国からのサプライチェーン移転などにより、ベトナムには多国籍企業が製造拠点を構えるが、2023年5~6月に大規模な電力不足・停電が発生し、推定14億ドルの経済的損失が発生した。同様の事態を繰り返さないため、2024年は電力輸入や石炭生産・輸入を増やすなどの対応を取っているが、気温上昇に伴う需要増加、水力・ガス発電量の減少で、5月にFoxconnなどに節電要請を行ったと報じられている。4月の発電量に占める石炭の割合は過去最高の64.6%に達し、2023年平均の46%から急上昇。1~5月の石炭輸入量は前年同期比+71%となり、2024年通年の輸入量は過去最高だった2020年の3,310万トンを超える可能性がある。

[米国/欧州] NASA地球観測所は、2019年の米国のメタン排出量は米国環境保護庁の推定値よりも13%高かったことが新たな衛星分析により分かったと発表した。石油・ガス事業からのメタン排出量がEPAの推定より12%高く、畜産による排出量は同11%高いと推定されることも判明した。3番目に大きい発生源は埋め立て地によるもので、従来の数値より50%増加した。これらは過去の推計よりも28%低かった石炭採掘とは対照的になっている。この推計には、2017年にコペルニクス計画の一環として打ち上げられた観測衛星Sentinel-5Pによって得られたデータが利用されている。

[中国] 中国誌「財新」が発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI)は、0.3pt上昇の51.7と、引き続き景気判断の節目である50を超えた。一方、中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した製造業PMIは49.5となり、前月から0.9pt下落した。官民で判断が分かれた。5月のサービス業PMIは54.0となり、前月から1.5pt上回り高水準になった。50を17か月連続で上回った。国家統計局が発表した5月のサービス業PMIは、前月から0.2pt上回り50.5だった。官民ともに上昇傾向で一致した。

[米国] 6月6日からバイデン大統領は国賓としてフランスを訪れ、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦の80周年記念式典に参加し、マクロン仏大統領との会談に臨む。フランスへの途上、サリバン大統領補佐官は、ロシアの在外凍結資産の扱いは米仏会談の重要なトピックの一つと述べ、今月イタリアで開催されるG7サミットにつなげるためにも議論を詰めておきたいとの意向を表明した。また、マクロン大統領が軍事訓練教官のウクライナ派遣を検討している点に関連して、米軍が部隊や訓練教官を派遣する予定は無いことも改めて明らかにした。

[米国] 6月27日、バイデン大統領とトランプ前大統領との第1回大統領候補テレビ討論会が、ジョージア州アトランタのCNNのスタジオで開催される。バイデン陣営が討論会で取り上げることを期待している優先議題は、人工妊娠中絶の権利、民主主義、経済である一方、トランプ陣営の優先議題は移民問題、法と秩序の回復、インフレであることが明らかになった。無所属で立候補しているケネディ候補は、バイデン陣営が反対しているために討論会へは不参加となる。

[スロバキア] 6月5日にフィツォ首相が、5月15日の暗殺未遂事件の犯人に対する法的措置は取らないと発表した。フィツォ首相は、犯人はジョージ・ソロス氏、外国のNGO、野党が資金を提供した「悪と政治的な憎しみの使者」と主張しているが、犯人とこれら個人や団体との関係は立証されていない。一方、スロバキア政府の不法移民の受け入れ拒否や対ウクライナ軍事支援拒否に対してEUが非難を展開していることに関し、「EUには異なる意見を持つ権利が存在しない」とEU批判も展開した。

[韓国/アフリカ] 6月4~5日、韓国政府は首都ソウルで第一回目となる「韓国・アフリカサミット」を開催した。アフリカ48か国から首脳級やアフリカ連合(AU)委員長、アフリカ開発銀行(AfDB)の総裁らが参加し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が開会演説を行った。会期中に発表された「共同声明」において、2030年までに韓国はアフリカ向け政府開発援助(ODA)を100億ドルに拡大し、アフリカでビジネスを行う韓国企業向けに約140億ドルの輸出金融の供与を行うことが約束された。韓国放送公社(KBS)によると、今回のサミットでアフリカ諸国との12の二国間協定と34の協力覚書(MoU)が署名されたとのこと。

[中国/米国] 東南アジア4か国(カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム)に対する米国の太陽光発電関税免除期間が6月6日に終了するにあたり、中国の太陽光発電企業は、当該地域の太陽光発電工場のいくつかを閉鎖することを予定していると、中国誌「財新」が報じている。ロンジ(嶐基)・グリーン・エナジーの関係者は、マレーシア、ベトナムにある同社の工場の閉鎖を予定していること、また同様の問題に直面するのは同社だけでなく、業界全体の問題だと語った。製品価格の継続的な下落も、太陽光発電会社が生産を削減する重要な理由であると「財新」は報じている。

[インド] 6月4日、インド総選挙(連邦下院選)の開票が行われた。与党BJPは第1党を維持し、与党連合では過半数を確保したが、前回2019年から大幅に議席を減らし、モディ首相をリーダーに立てた2014年以降の選挙では、初めて単独過半数を下回った。モディ首相は6月8日に首相に選出され、政権は3期目に入る見通しだが、政権運営においてほかの連立政党との調整が必要になる。

[米国/レバノン] 6月5日、レバノンの首都ベイルートにある米国大使館に対して武装した男が発砲し、レバノン軍の兵士1人が負傷した。犯人も銃撃戦で負傷し病院に運ばれた。犯人はシリア人で「Islamic State(イスラム国)」と書かれたベストを着ており、「ガザを助けるためにやった」との発言があったとのこと。これまでに犯行声明などは出ていないが、レバノン当局は、犯人とISとの関係を調査中とのことで、レバノン東部ベカー高原に住む犯人の兄も拘束された。

[ロシア] 6月5日、プーチン大統領は、北西部サンクトペテルブルクで外国メディアの上級編集者らと会見し、欧米がウクライナ軍への武器供給を停止すれば、ウクライナ軍事侵攻は2?3か月以内に終了すると述べた。日ロ関係については、日本がウクライナへの支援を続けているため、平和条約交渉を続ける条件が揃っていないと述べた。

[ペルー/中国] ボルアルテ大統領は、6月末に中国を訪問する。両国は関係を強化してきており、南米における中国の影響力拡大が懸念されている。中国はペルーにとって最大の貿易相手国であり、主な対外投資元でもある。2024年11月に開港が予定されるチャンカイ港は、ブラジルなど近隣諸国含め、南米と東アジアを結ぶ重要な拠点となる可能性が指摘されている。

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