デイリー・アップデート

2019年4月25日 (木)

[中国] 官製メディアの環球時報は、4月21日と23日の2回にわたって、21日スリランカで発生した連続爆破テロ事件及び今年3月15日ニュージランドで発生した銃乱射事件に関する社説を発表。「今後一定期間、過激分子が宗教どうしの怨恨を扇動し、特定宗教の信者を狙ったテロ行為発生の確率が高まる懸念があるが、中国の場合は、海外の過激主義の排除において最も力を持っており、西側が何と言おうと意に介さず、中国の平和が最も貴重だ」と述べている。

[中国/ジャマイカ] 4月11日、ジャマイカは、中国の習近平国家主席が推進する「新シルクロード構想(New Silk Road)」とも呼ばれる大経済圏構想「一帯一路」への協力に関する覚書を正式に締結した。中南米諸国で同覚書を締結したのはトリニダード・トバゴ、スリナム、ガイアナ、バルバドスに次いで5か国目。ジャマイカは現時点において全政府債務2兆ドルのうち790億ドルが対中債務となっている。

[ドイツ] ドイツのIfo経済研究所が公表した4月の企業景況感指数は99.2と、前月(99.7)から予想外の低下となった。製造業の状況が引き続き悪化しており、貿易戦争や中国の景気減速などが重石となっているようだ。サービス業では、先行きについてはやや楽観的に期待しているものの、現状は必ずしも良くないと見ている一方、小売業を中心に商業では現状・先行きともに下向き、建設業では現状は良好だが先行きに懸念が募る状態となっている。ドイツ経済の復調が遅れていることが、欧州経済の重石になっており、底堅い米国との相違が際立ち始めている。

[EV] EV市場拡大で需要が拡大するコバルトについて、主産国コンゴにおける児童労働・汚職などが問題となっている。LMEはこれらの問題への対処法として、昨年から人権問題のあるコバルトを供給した場合は業者との取引を停止する意向を表明しており、4月23日付で新規則案を発表、サプライチェーンの健全化を目指す。独BMWはコバルトを豪州・モロッコから直接調達する計画を発表。他方でベルギーのUmicoreは、自社が倫理的な原料調達をすることで、ライバルとの競争上不利な立場に置かれていると警告。

[メキシコ] 防衛省が提出した環境影響度レポートによるとサンタルシア空港拡張計画の費用が700億ペソから785億ペソに上方修正された。この12%増の主な要因は、当初2本だった滑走路が3本に増えたことによる。3本目は当初考慮されていなかった丘の周りに建設する必要がある。また、同レポートによると本計画は給水に影響を与え、地域の汚染を悪化させる。大統領は本計画が3年で完工すると約束している。2020年予算速報によると、政府は本計画に今年と来年それぞれ150億ペソを計上している。

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