デイリー・アップデート

2019年4月26日 (金)

[鉄鉱] 4月25日、中国の上場鉄鋼メーカー中最大手の宝山鋼鉄(Baosteel)が発表した第1四半期決算は前年同期比46%減益。減益は2015年以来初めて。第1四半期は自動車市場からの需要が弱い一方で、鉄鉱石価格が前期比15%超も上昇したため、利益率が低下したと説明。2019年はインフラ需要の拡大を受けて需要増が見込まれるものの、稼ぎ頭の自動車用鋼板が大きな課題に直面するとし、通期でも減益見通しを示した。第1四半期の中国経済は予想以上の成長となったが鉄鋼需要は低迷。供給過剰の懸念も再燃。

[アルゼンチン] 3月の貿易黒字は12億ドルと、昨年同月の5.54億ドルの赤字から大幅改善。四半期ベースでも昨年第1四半期は赤字だったが2019年同期は20億ドルの黒字。第1四半期の輸出額は前年比2.3%減で、製造品、農産加工品、車両が大きく減少した一方、農産品は増加。同期の輸入額は前年比27.9%減で、乗用車の53.6%減を筆頭に、資本財40.1%減、消費財32%減、資本財の部分品及び付属品25.9%減などの下げが目立った。

[ロシア] 4月25日、ロシアのガス大手ノバテクは、ロシア北部で2022~23年に稼働を計画するLNG基地「アークティック(北極)2」事業に対し、中国石油天然気集団(CNPC)の子会社と中国海洋石油(CNOOC)から1割ずつ出資を受けると表明した。北京で同日開幕した中国の経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議で合意文書に署名した。出資額は計1兆円規模とみられる。

[中国] 向松祚・中国人民大学国際貨幣研究所副所長(昨年12月、中国の2018年3Qの経済成長率が+1.67%などと指摘)は、2019年1Qの経済情勢から中国経済がまだ安定を取り戻したわけではないとし、①製造業の設備投資が伸びていない、②消費全体の成長に大幅な伸びがない、③土地投資が息切れを起こしている、④輸出の伸びが少ない(1Q前年同期比+1.4%)、⑤工業生産は伸びたが利潤総額はマイナス、⑥民間の投資意欲が依然として低迷している、などの懸念点を指摘した。

[米国] 3月の航空機を除く非国防資本財受注は前月比+1.3%と、3か月連続でプラスとなった。伸び幅は昨年7月(+1.5%)以来の大きさ。また、航空機を除く非国防資本財出荷は同▲0.2%と、4か月ぶりのマイナスになった。受注が増加しているため、企業が設備投資に前向きな姿勢を示しているといえ、今後の設備投資の増加が期待される。先日の小売売上高に続き、米景気の底堅さを表しているといえよう。

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