ロシア・アフリカサミット
10月28~29日、ロシアのモスクワで「第3回ロシア・アフリカサミット」が開催された。アフリカ48か国から代表団が参加し、22人の首脳が出席したと報じられている。前回の2023年サミットの17人を上回ったものの、2019年の第1回サミットの43人は大きく下回った。
アフリカ側の主な参加者として、アフリカ連合(AU)議長を務めるブルンジのンダイシミエ大統領、エジプトのシシ大統領、ケニアのルト大統領、エチオピアのアビィ首相、エリトリアのイサイアス大統領、ガーナのマハマ大統領のほか、暫定軍事政権が続くマリのゴイタ暫定大統領、マダガスカルのランジアニリナ暫定大統領などの姿が見られた。一方、南アフリカからは実務級の派遣にとどまったほか、タンザニアのサミア大統領は6月に個別にロシアを訪問していたことから、今回は参加を見送ったとみられる。
ロシアのプーチン大統領はサミットの全体演説で、ロシアは西側諸国とは異なり植民地主義的な搾取を行っていないとの立場を示す一方、「アフリカは世界の政治・経済において主要なプレーヤーとして存在感を強めている」として、アフリカ諸国との連帯の重要性を訴えた。最終日には、国際法や国連憲章の原則に基づく世界秩序の構築などを訴えた「第3回ロシア・アフリカ・サミット宣言(通称:モスクワ宣言)」が採択され、エネルギー、安全保障、教育、AI、食料などの分野における200以上の協力事項からなる「2027~2029年行動計画」も発表された。
サミットに合わせて二国間首脳会談も行われた。エチオピアのアビィ首相は、ロシア製Su-35戦闘機12機を既に受領し、今後S-400防空システム4基を受領する予定であることを明らかにした。エチオピアでは9月下旬以降、北部ティグライ州の反政府勢力と政府軍との衝突が激化し、隣国エリトリアとの緊張も高まる中で、ロシアからの軍事装備品受領が発表された格好となった。また、ロシアのアルミニウム大手ルサルがガーナの国営アルミ企業との合弁事業に合意したほか、ロシア国営企業RusGeologyがマリ政府と共同でデジタル地質図の作成に向け協力することで合意したと報じられている。
今回のサミットを受け、諸外国からは、ロシアがアフリカに提供できる経済的インセンティブは限定的である一方、アフリカ側は政治的なメリットや外交上の「選択肢の拡大」を期待しているとの見方が出ている。英王立国際問題研究所(チャタムハウス)も、ロシアは西側諸国への対抗や非同盟パートナーシップの構築を狙いとしてアフリカへの関与を拡大しているものの、経済・安全保障の双方で成果はまちまちと指摘している。2025年のロシア・アフリカ間の貿易額は270億ドルにとどまり、EUや中国との3,000億ドル規模の貿易額と比べても大幅に少ない。また、ウクライナ紛争による資源の消耗を背景にロシアの武器輸出も60%以上減少する中、ロシアがアフリカ諸国に対し、持続的かつ具体的な成果をどこまで提供できるかが、今後の関係深化を左右するポイントとなりそうだ。(国際部 髙橋史)
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