デイリー・アップデート

2019年4月3日 (水)

[ロシア] 石油大手ロスネフチ社は北極圏での資源開発・輸送に積極的に関与する方針を発表した。現在ロスネフチが所有する北極圏のバンコール油田(クラスノヤルスク地方)を中心に「北極圏クラスター」を作り、同地域における資源探査や採掘を積極的に行う方針。第1段階として2024年までに原油採掘を開始し、2030年には原油生産を年間1億トンまで引き上げる可能性を同社は検討している。

[米/中/台] 3月31日、中国軍戦闘機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側空域に侵入し、台湾軍機がスクランブル発進で対抗した件に関し、同日付の中国紙・環球時報は社説で、「中台双方の暗黙の了解であった中間線維持が海峡の現状だと言うなら、台湾側もこれまでのレベルを超える相互行動を起こすべきではない。今年になって3回も米軍艦船が台湾海峡を通過するような事態には中国軍も反応しないわけにはいかないし、今後も米台側の挑発が強まれば、中国軍の行動もエスカレートする」と警告した。

[アルジェリア] 4月2日、1999年から20年間の在任期間を経て、ブーテフリカ大統領が辞任した。当初4月に予定されていた大統領選に彼が出馬を発表して以来、同大統領の5選目に反対するデモが始まった。同大統領は2013年に脳梗塞を患って以来、移動は車椅子で、まれにメディアに出ても話す姿は一切見られず、実際に国家運営をしているのは彼の取り巻きの一部エリート集団とみられており、国民は彼らの政権からの一掃を求めて今後もデモを継続するもよう。

[米国] 2月の耐久財受注統計によると、非国防資本財受注(除く航空機)は前月比▲0.1%と、2か月ぶりに減少した。過去6か月中4か月で減少となっており、世界的な景気減速や米中貿易戦争を巡る先行き不透明感などから、企業が今後の設備投資に慎重になっていることがうかがえる。また、非国防資本財出荷(除く航空機)は同0.0%と横ばい圏にあり、足もとの設備投資にも弱含む兆しが見えつつあるようだ。

[インドネシア] 3月のインフレ率は前年比+2.48%と、2009年後半以来の低水準。中銀目標レンジ(2.5~4.5%)下限を下回った。生鮮食品の価格下落が主な要因。米、鶏肉、魚など主要食品の価格下落に加え、他の食品価格も収穫作業が順調で抑制された。住宅・ユーティリティーの項目では前月よりも加速が見られたが、わずかなものに留まっている。むしろ他の項目での減速もあり、コアインフレ率は4カ月振りの低水準。国内農産品価格が前年比▲2.6%となった事を主因に2月の卸売物価指数は2年半振りの低水準。

[フィリピン] 4月1日、世界銀行は、最新のフィリピン経済成長見通しを発表。2019年の実質GDP成長率は+6.4%、2020~2021年は+6.5%と予測し、1月時点からそれぞれ0.1ポイント下方修正した。理由としては、①2019年度(1~12月)国家予算の成立遅延、②エルニーニョ現象の影響が下振れリスクとなりうるため。しかし、世銀は同国経済の先行きを楽観視しており2019年政府目標である+6~7%は達成可能との見方を示している。一方で、2018年10月に発表した人的資本指数(HCI)において、フィリピンが世界157カ国・地域中で84位だったことを課題に挙げた。

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