デイリー・アップデート

2019年8月26日 (月)

[米国] 8月23日、パウエルFRB議長はジャクソンホールで講演。足もとの米景気についてはこれまで良好な一方で、通商問題を含めて地政学的なリスクが高まっているとの認識を示した。雇用と物価の目標達成のために、「適切な行動をとる」と改めて表明、全体的なトーンは前回7月末のFOMCと大きな相違はなかった。市場は、米中貿易戦争の更なる激化を受けて、9月のFOMCでの利下げを予想している。

[エジプト] 中銀は、1.5%ポイントの利下げを行い、政策金利を14.25%にすることを決定した。今回の利下げは2月以降初めてで、過去3回の政策決定会合では定期的なエネルギー価格引上げのインフレ率への影響を懸念して金利は据え置かれていた。中銀は発表で、今回の利下げはインフレ率の緩和に鑑みて決定したと明示した。インフレ率は6月の前年比+9.4%から7月には+8.7%まで減速しており、これは2015年8月以来の低水準であり、目標レンジの中間点をも下回っている。

[G7/ロシア] 8月24日、日米欧の先進7カ国首脳会議(G7サミット)が、フランス南西部ビアリッツで開幕した。初日はロシアのサミット復帰をめぐり議論したものの、結論は持ち越しとなった。同日トランプ大統領が、ウクライナ南部クリミア半島併合を機に2014年にG8から除外されたロシアのサミット復帰を提案。欧州側は「時期尚早」との立場で、公式発表はないものの、双方が主張をぶつけ合ったとみられる。

[ドイツ] 2019年12月2日から14日までチリで開催予定のCOP25への準備のため、8月22日、ドイツのメルケル首相がオランダのルッテ首相を訪問した。会談の結果、メルケル首相は、2030年の温室効果ガス排出量を1990年比で55%削減するというオランダの提案を支持すると発表した。

[米/中] 米国政府が3000憶ドルの中国製品に対して10%の追加関税を課すという措置に対抗し、8月23日、中国政府は5078品目、750憶ドルの米国製品に5%ないし10%の追加関税を9月1日ないしは12月15日より課すと共に、米国製自動車と部品に対し12月15日より5%ないし25%の追加関税を課す措置を発表。これに対し、米国は同日、昨年発動した2500億ドル分について10月1日より25%の追加関税を30%に引き上げ、上記の3000憶ドル分についても10%を15%に引き上げる旨を発表。トランプ大統領はツイッターで米国企業の中国からの撤退を要求するメッセージを発信した。中国の環球時報は3回の社説で中国の正当性を主張。

[インド] 8月23日、シタラマン財務相が新たな景気刺激策を発表。自動車市場の不振への対策として、車両登録料の引き上げ時期の延期、自動車の減価償却率の引き上げ、政府機関が保有する古い車両の買い替え促進などを通じて販売を後押し。公営銀行に7,000億ルピーの資本を注入し、販売店や消費者の資金調達を容易にする。また海外投資家のキャピタルゲインに対する追加課税を撤回するとしている。

[インド] 8月23日、政府は景気底上げを狙い自動車や住宅の購入支援、スタートアップ企業に対する所得税の軽減といった新たな経済対策を発表した。実質GDP成長率は、2018/2019年度(4月~翌3月)は+6.8%と足元で減速しており、過去5年間到達していた+7%台を切っている。販売が冷え込んでいる自動車に関しては車両登録料引き上げ時期の延期、政府機関の買い替えなどで販売を後押しする方針。

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