デイリー・アップデート

2019年8月29日 (木)

[パキスタン]  IMF支援プログラム1回目の四半期レビューを控え、財政赤字がここ約30年ぶりに最高額を記録。財政赤字は6月末で対GDP比8.9%と昨年同時期の同6.6%から拡大し、政府目標である5.6%を大きく上回った。IMFは2019/20年度の歳入を前年度比40%増加させることを求めているが、その目標が未達の場合、IMFからの融資継続への影響が懸念される。

[アルゼンチン] ペソを下支えする為、中銀は8月11日の大統領予備選後に約10億ドルのドル売ペソ買介入を行っている。その結果、総外貨準備高は急減し、4月中旬の直近最高値770億ドルから現状では580億ドルに減少している。総外貨準備高と、中銀の外貨負債を差し引いた後の純外貨準備高との差はブラジルやメキシコを含む域内他国では無視できるほどに小さいが、アルゼンチンでは約400億ドルと著しく大きい。商業銀行外貨預金(約250億ドル)と中国との為替スワップ(約200億ドル)が主な要因。

[中国/韓国] LCDパネルに関して、韓国紙は、サムスン・牙山(アサン)工場やLG・坡州(パジュ)工場の8.5世代生産ラインの一部稼働停止や、LGが2018年に続けて希望退職者の募集を検討中であることなど、10.5世代の生産ラインを保有する中国メーカーとの競合で劣勢にある模様を報じた。一方、中国紙は、LCD業界でも生産能力の過剰問題が顕在化し、業界最大手の京東方科技集団(BOEテクノロジー)でさえ、2019年1-6月の売上高こそ前年同期比+27%だったものの、純利益は同▲44%と苦境に陥っており、今後数年間は収益力の低迷は免れないとの観測を報じている。

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