デイリー・アップデート

2020年6月12日 (金)

[中国] 6月11日、中国自動車工業協会は、5月の国内新車販売台数が前年同月比+14.5%の219万4,000台だったと発表した。4月に続きプラス成長となった。コロナ禍が落ち着き、政府の購入支援策などにより消費マインドが改善、コロナ禍で購入を手控えていた層の反動需要も回復を後押しした。海外での新型コロナウイルス流行の収束が見通せない中、国内の輸出型企業の経営は依然として厳しい。消費マインドは改善したとはいえ依然弱く、同協会は2020年の通年販売台数は前年比▲25%まで落ち込むと見込んでいる。

[米国] 労働省によると、6月6日までの1週間の新規失業保険申請件数は154.2万件となり、前週(189.7万件)から減少した。3月末のピークから10週連続で減少。継続受給者数は5月30日までの週で2,092.9万人と、前週(2,126.8万人)から減少した。雇用環境の最悪期は脱したとみられるものの、受給者数などは高水準であり、雇用環境は依然として厳しい状況にある。

[タイ] 6月1日、連立与党の第1党である「国民国家の力」党の執行役員18人が辞表を提出した。背景には、プラウィット副首相を党首に推す勢力が執行部の刷新を求めたことがある。執行役員の過半数が辞任したため現執行部は解散し、7月16日までに執行部の改選が行われる見通し。新党首にはプラウィット副首相が選出される可能性が高い。その場合、ソムキット副首相とその影響下にある閣僚が交代させられ、経済政策に変化が生じる可能性がある。また、連立与党内で主導権争いが生じ、政権運営が不安定になる可能性もある。

[イラク] 6月11日、米・イラク戦略対話が始まった。政治、経済、文化など多岐にわたる協力関係について話し合われるが、最も注目されるのはイラク駐留米軍の今後の処遇。イスラム国(IS)を駆逐すべく、2014年以降イラク政府の要請に基づいて米軍のイラク駐留が再開されたが、今年1月にはイラク国内でのソレイマーニーIRGC(イラン・イスラム革命防衛隊)司令官の殺害事件を受けて、イラク国会が米軍撤退要求を決議した。対話の前日には、米国大使館のあるバグダッドのグリーンゾーンに迫撃砲が着弾した。

[米国] 6月10日、上院にて、半導体に関わる米産業競争力の強化を図る法案が提出された。半導体製造施設の建設や製造機器購入等に対する税優遇や補助金の提供、国防総省による関連技術研究の推進、微細電子機器のサプライチェーンをめぐる国際コンソーシアムの設立などが盛り込まれている。上院議員5名が超党派で法案を提出、下院にても同様の法案が提出される見込み。

[米国] 全米50州が段階的に経済活動を再開させたが、米国内の新型コロナの累計感染者数が200万人を上回り、感染による死者数も11万2,000人に達する中、全米22州で新型コロナ感染者数が再び増大している。とりわけ、顕著なのが、テキサス、フロリダ、アリゾナ、カリフォルニアの4州であり、新型コロナ感染拡大の「第2波」到来に対する警戒が強まりつつある。

[米/中] Web会議システムのZoomが海外の中国人活動家や香港民主派のアカウントを削除したり、ビデオ会議を中断させたとして批判されている。この件が報道されると、Zoom広報室は「グローバル企業として、操業している国の法律に従う必要がある」とコメントを出し、さらに批判を呼ぶこととなった。米国の大学の多くがZoomを利用しているが、中国国外のユーザーが制約を受けたことで、Zoomを使用すべきでないという声が再び盛り上がっている。その後Zoomは中国国外からビデオ会議に参加する人は会議を続けられる技術を数日内に導入すると発表した。

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