デイリー・アップデート

2020年6月10日 (水)

[中国] 6月7日、国家インターネット情報弁公室は記者会見で、「中国政府はG20での債務返済猶予イニシアティブに従い、対中債務を抱える77の途上国と地域に対し返済の延期を認める」と発表した。多くの発展途上国がパンデミックに直面する中、中国政府による債務返済の延期は世界的な責任の履行であるという認識を示した。その他支援関連では、中国政府は他国に対し今後2年間で20億ドルをコロナ禍救済に充当すると5月に発表している。アフリカで30の病院に対する支援メカニズムの設定も予定している。

[日本] 内閣府「機械受注統計」によると、4月の民需(除く船舶・電力)の受注額は前月比▲12.0%となった。基調判断は「足元は弱含んでいる」とされ、前月から下方修正された。日本工作機械工業会によると、5月の工作機械受注額は前年同月比▲52.8%となり、4月(▲48.3%)から一段と減少した。5月末に緊急事態宣言は全面解除されたものの、経済活動は段階的に再開されつつあり、また企業業績も悪化しているため、当面設備投資は弱い動きになりそうだ。

[ウクライナ] IMFは6月9日の理事会で、ウクライナに対し18カ月にわたって50億ドルの金融支援をするスタンドバイ融資協定(SBA)を正式に承認した。第1トランシェ(分割融資)は約21億ドルで、今月中に実施される見込み。

[米国/台湾] 6月9日、台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、今年度の株主総会を実施した。劉徳音董事長が、◇(市場が懸念していた)本年下半期の稼働率も問題なく、通年の業績見通しも変更しない、◇ファーウェイ/ハイシリコンからの受注減はその他の顧客向けで補填できるだろう、◇5G通信網や高効率演算装置の発展は追い風になる、などと発表した。TSMCの2019年度売上は約1.7兆NT$(約6.2兆円)で、2020年度は14~19%の増収を見込む。ファーウェイはTSMCにとって第2の大口顧客であり、2019年度売上の14%を占める。

[パレスチナ] 6月9日、パレスチナ自治政府のシュタイヤ首相は、米トランプ政権が今年1月に発表した中東和平案に対するパレスチナ側の対案を、中東和平カルテット(米国・ロシア・EU・国連の4者グループ)に提出したことを発表した。同対案では、東エルサレムを首都とする非武装の独立した主権国家の創設を提案し、イスラエルとの境界や領土交換に関しては、その土地の大きさや価値を基に判断するというベースで今後の交渉に応じるというもの。

[ブラジル] ボルソナーロ政権は、ブラジル保健省のHP上に掲載してきた新型コロナの累計感染者数・死者数等の統計を6月5日から非公開としていたが、「政権が新型コロナ感染拡大の深刻さを隠蔽している」との批判が国内外で高まる中、8日には連邦最高裁が同統計の公開を命じる裁定を下したことを受け、9日から公表を再開した。

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