デイリー・アップデート

2020年6月9日 (火)

[世界経済] 6月8日、世界銀行が最新の世界経済見通し(GEP)を発表。2020年の世界の経済成長率は▲5.2%と予測。新型コロナウイルスのパンデミックに伴い第2次世界大戦後以降で最大の落ち込みとなる。新興・途上国経済は▲2.5%と、1960年の統計開始以降で最大の落ち込みとなる見込み。前回1月の予測では、世界経済は+2.5%が見込まれていた。今回は、過去150年で1914年、30~32年、45~46年に続く深刻な落ち込み。地域別では、東アジア・太平洋州地域が唯一、+0.5%のプラス成長となる見込み。

[日本] 内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、5月の景気の現状判断DIは15.5となり、前月から7.6pt上昇した。内訳をみると、家計動向関連(16.4)、企業動向関連(15.0)に比べて、雇用関連(10.7)の水準が低く、雇用環境の回復が特に遅れているようだ。また、先行き判断DIは36.5と、前月から19.9pt上昇した。上昇幅は過去最大となったものの、水準は年初よりも低く、先行きに対して慎重な見方が続いている。

[イラク] 6月6日、イラク議会は未承認閣僚7ポストにつき、新たな閣僚人事を承認した。これで5月に始動したカーゼミー内閣の22閣僚全員が出そろった。外相にはフアード・フセイン前財務相、注目されていた石油相ポストにはバスラ石油公社総裁のエヘサーン・イスマーイール氏が選出された。イスマーイール新石油相は、バスラ出身でバスラ大化学工学部卒の46歳。バスラ石油公社や南部ガス公社など石油・ガス業界で長年にわたって経験を積んできた専門家。

[米国] トランプ大統領は今年3月2日にノースカロライナ州シャーロットで開催した政治キャンペーン集会を最後に、新型コロナ感染拡大の影響を受けて3か月以上政治キャンペーン集会を開催することができなかったが、トランプ再選委員会のパースケール委員長は6月中に再開させる方針。過去3カ月以上の間にトランプ大統領の新型コロナ対策に対する批判の増大、堅調であった米経済の失速、「接戦州」におけるバイデン前副大統領の優位等、政治・経済状況が大きく変化している。

[中国] 6月1日、李克強総理は山東省煙台市で、「露店経済」は雇用の重要なソースだと公言し、それまで都市の環境や景観を損ねるため取締りの対象にさえなっていた露店での零細業者の活動を容認する発言を行った。ところが同6日、「北京日報」は「露店経済は北京に適さない」との署名記事を掲載、露店経済が北京の代表する首都や国家のイメージを損なうとして反旗を翻し、翌7日には「人民日報」が柔らかいトーンではあるが、同様の基調の論評を掲載した。北京市当局による露店経済の拒否と見られ、動静が注目される。

[香港] 中国からの圧力で香港国家安全法への支持を表明したHSBCの受難が続いている。中国政府寄りの『大公報』は、HSBCが米国司法省に本来漏らすべきでない孟晩舟(カナダで拘束中のファーウェイCFO)の取引情報などを提供し、それが証拠とされて孟が不当に拘束されたという記事を掲載。北京大学法学院の強世功教授は「中国政府や企業はHSBCと重要な取引をできるだろうか」という論評を微信(WeChat)で公表した。BBCは、HSBCが英国政府に対し「もし英国の5Gネットワークからファーウェイを締め出せば、自分たちが報復を受ける」と訴えたと報じている。

[ニュージーランド] 6月8日、アーダーン首相が新型コロナウイルスの感染状況に基づく4段階の警戒レベルを、6月9日より「レベル2」から「レベル1」に引き下げると発表した。海外渡航制限を除き活動制限は完全に解除される。6月8日には、新規感染者ゼロが17日目に入り、現在感染している人もゼロとなった。一方、アーダーン首相は、豪州ではいまだに新規感染者が出ていることから、現時点では同国との渡航再開は望まないとした。再開時期の見通しは示されていない。

[ロシア] 6月8日、モスクワ市のソビャニン市長は、新型コロナウイルス対策として3月末から続いてきた原則的な外出禁止や、4月中旬から適用された外出が必要な際の許可証取得を義務付ける措置を、6月9日に解除すると発表した。外出時のマスク着用義務は維持される。

[英国] 新型コロナウイルス感染拡大を受け、英国政府は6月8日から新規入国者に14日間の隔離を義務付ける政策を施行している。同ルールに従わない場合は、最大1,000ポンドの罰金が課せられる。 この政策の見直しは3週間後の6月28日の週に行われる予定だが、航空業界や観光業界からの反発に加え、与野党議員からも経済への悪影響を懸念する声が出ている。

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