米国/シリア/トルコ/カタール

2025年05月30日

国際部

5月29日、シリア政府は長年の内戦で荒廃した同国の電力部門の復興を目指し、カタール、トルコ、米国の企業連合と70億米ドル相当の外国投資による大規模発電プロジェクトのための覚書に署名した。同企業連合はカタールのUCCコンセッション・インベストメンツが主導し、トルコのエネルギー企業2社と米企業1社が参加している。署名式は首都ダマスカスの大統領官邸で、シリアのシャラア暫定大統領とバラック駐トルコ米国大使兼シリア担当特使の立ち合いのもと、シリアのバシール・エネルギー相と各企業会長およびCEOとの間で執り行われた。

 

同発電プロジェクトは計5,000メガワット(MW)の発電を目指しており、シリア中部と東部の4か所にガス火力発電所(総発電容量4,000MW)を建設し、シリア南部に1,000MWの太陽光発電所を建設する計画。最終合意と資金調達完了後に建設が開始され、ガス発電所は3年以内、太陽光発電所は2年以内で完成予定。シリアは14年間の内戦で送電網や発電所が破壊され、市民は最大1日20時間の停電に見舞われている。同プロジェクトが完成すれば、シリア国内の電力需要の50%以上を賄うことができると期待されている。

 

トランプ米大統領は、今月半ばのサウジ訪問時に対シリア制裁の全面解除を発表し、シャラア暫定大統領を「若くて魅力的な男だ」と評し、握手をした。トルコとカタールの両国は、旧アサド政権下で弾圧されてきた反体制派(シャラア氏やその団体も含む)を長年支援し続けてきた過去があり、アサド政権崩壊後の新体制との関係構築も最も早かった。これらの国々は、今後のシリア復興関連でかかわりが大きくなるとみられる。

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