デイリー・アップデート

2021年6月1日 (火)

[デンマーク] 米国家安全保障局(NSA)がデンマーク国防情報庁(FE)との協力関係を使って、デンマークの海底ケーブルを使用し、メルケル独首相、シュタインマイヤー独外相(当時)やシュタインブリュック独議会議員(当時)の電話やメッセージなどの使用履歴を入手したとの報道を受け、ブラムセン・デンマーク国防大臣が「同盟国に対する組織的な盗聴は容認できない」と発言。さらにメルケル首相とマクロン大統領は、信頼関係を築くことを目的として米国・デンマーク側からの明確な情報の提示を要請している。

[中国/台湾/日本] 日本政府が、アストラゼネカ社から調達することになっているワクチンの一部を台湾に支給できるよう同社と交渉を始め、台湾当局が謝意を示したことについて、中国の汪文斌・外交部報道官は「我々は最大の努力を尽くして台湾同胞を助けたいと表明しているが、台湾民進党当局は政治的私利から無視している」と非難、日本に対して「(日本自身が)十分なワクチンの供給を確保できていない中、…感染対策の名を借りた内政干渉には断固反対する」と不満を表明した。

[米国] 5月30日、ブティジェッジ運輸長官がテレビ報道番組に出演し、インフラ整備法案をめぐって行われている与野党協議は議会休会明けのタイミングまでに目途をつける必要があると発言した。現在、休会中の連邦議会は6月7日に審議再開予定。バイデン政権による総額1.7兆ドル規模のインフラ整備案に対し、共和党は9,280億ドルの対案を提示しており、財源についても折り合いがついていない。民主党が単独で法案を成立させるためには、上院採決時に一人も離反者を出さず、かつ9月末までに可決させる必要がある。

[OECD] 5月31日、経済協力開発機構(OECD)の発表によれば、2021年の世界経済成長率の見通しを+5.8%、2022年を+4.4%とし、前回(3月)予測のそれぞれ+5.6%、+4.0%から上方修正した。新型コロナウイルスワクチン接種の普及による経済活動の再開や米国での大量の資金投入により、見通しは改善。数兆ドル規模の景気刺激策により米国経済は2021年に+6.9%成長するとし、前回見通しの+6.5%から上方修正。一方、インドについては3月以降の感染再拡大により2021年は+9.9%成長とし、前回の+12.6%から下方修正した。

[ロシア/中央アジア] ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は先般、中央アジアを巡回し、カザフスタンやキルギスなどが参加する集団安全保障条約機構(CSTO)の国防大臣会議に出席、同地域におけるロシアの軍事面でのプレゼンスを向上させる考えを明らかにした。ここ数週間で中央アジアの安全保障に対する懸念が高まっており、キルギスとタジキスタンは4月末、水利権を巡る争いから国境で銃撃戦となり、少なくとも計50人が死亡、数百人が負傷する事態となった。

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