2023年1月11日 (水)
[日本] 1月10日、世界銀行は『世界経済見通し(Global Economic Prospects)』を発表した。2023年の世界経済成長率見通しは+1.7%と前回2022年6月時点の+3.0%から下方修正された。日本は+1.0%と、前回から0.3ptの下方修正にとどまり、米国の+0.5%、ユーロ圏の+0.0%を上回る成長率見通しになった。ただし、物価上昇や利上げなど金融引き締めの影響などがある上、特に新興国・途上国ではコロナ禍の傷跡が残り、経済成長の重荷になると懸念されている。
[サウジアラビア] 1月9日、巡礼相は、今年6月のハッジ(大巡礼)の人数を新型コロナウイルス流行前のレベルまで戻すことを発表した。新型コロナ禍の2020年は、参加者を国内からのみの1,000人に限定、2021年も国内からの6万人に限定して実施した。2022年のハッジは国外から90万人の巡礼者を受け入れたが、年齢制限やワクチン接種の条件を付けていた。「コロナ前」の2019年には240万人以上がハッジに参加しており、今年も同様の参加が見込まれる。ハッジはサウジにとって重要な非石油セクターの経済活動のひとつで、ビジョン2030でも巡礼者を増やすことが目標に掲げられている。
[米国] マッカーシー下院議員は、超保守派共和党下院議員の支持を取り付けるために譲歩を重ね、1月7日に合計15回目の下院本会議での投票の結果、第118議会の下院議長に就任した。1月9日、下院本会議で新たな下院規則が共和党下院議員の賛成多数で導入されたが、下院議長の不信任動議を発議できる規定や今後の予算案について2022年を基準として抑制するなど、マッカーシー下院議長の権限を制約する規定が導入され、指導力が制限される可能性が浮上している。
[アルメニア] 1月10日、アルメニアのパシニャン首相は旧ソ連6か国で構成するロシア主導の「集団安全保障条約機構(CSTO)」の自国領内での合同演習を今年は受け入れないと発表し、隣国アゼルバイジャンとの間で続く係争地ナゴルノカラバフを巡る紛争でのロシアの対応に強い不満を示した。
[中国] 1月9日、WSJ紙は、中国の「一帯一路」は縮小しているが、なくなることはないという記事を掲載している。新型コロナウイルスの感染が流行する前から「一帯一路」関連の融資と直接投資は減少する傾向にあったが、パンデミックによる経済的ダメージが拍車をかけた。ただし、ラテンアメリカでは2020~2021年の間、中国からの直接投資額がその前の5年間と比較して4倍に増えた。また中国が特に重要と考える経済的資産や戦略的利益に関し、「一帯一路」の利用をやめることはないという専門家のコメントを引用している。
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