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デイリーアップデート (2026年02月10日)
- [バングラデシュ対米貿易協定]2月9日、米ホワイトハウスは、バングラデシュ政府との間で二国間の貿易協定に合意したと公表した上で、共同声明を発表した。
米国からのバングラデシュ向け輸出品のうち、大豆・牛肉・乳製品などの農産品や、医療用器具・自動車・自動車部品・ICT製品などの工業製品については、関税を引き下げることで市場を大きく開放する見込み。一方でバングラデシュからの米国向け輸出品については、現在20%と設定されている相互関税率を19%に引き下げるほか、同国の主要輸出品である衣料品・繊維製品については、一定数量分について相互関税が免除される見込み。また、数量は輸出品に米国産の綿花や合成繊維などの原材料がどの程度使用されたかを踏まえて決定するとしている。
なおバングラデシュにとって、米国は最大の輸出相手国である。2024年の貿易統計によると、全輸出額のうち14.8%が米国向け(2位はドイツ14.6%、3位はフランス7.3%)。特に衣料品・繊維(アパレル)製品については、H&MやZaraなど欧米系ブランドが労働コストの低さを活かし、欧米向け既製服の製造拠点として同国に多数の縫製工場を構えている。
バングラデシュと同様に衣料品輸出分野で競合する隣国インドについても、米ホワイトハウスは2月6日に暫定合意枠組みを公表した。同枠組みによれば、繊維・衣料品を含む米国向け輸出品には18%の相互関税が適用されるため、バングラデシュから米国に輸出される衣料品・繊維(アパレル)製品のうち、相互関税が免除される分では、インド製品に対する価格競争力を維持できるとみられる。
なお2月6日には、バングラデシュ政府と日本政府との間で経済連携協定(EPA)が署名された。これはバングラデシュにとって初めてのEPA締結となる。日本からのバングラデシュ向け輸出品については、貿易額ベースで83%分の関税を撤廃する予定。特に輸出額全体の25%を占める鉄鋼・鉄鋼製品は今後10~18年で撤廃し、22%を占める自動車部品(タイヤ・エンジン)は即時または今後15年で撤廃する予定である。バングラデシュから日本向け輸出品については、貿易額ベースで91%分の関税を撤廃する。特に輸出額の84%を占める衣料品・繊維製品については、現行の無税を維持する。貿易面以外では、電子商取引におけるソースコード移転及びアクセス要求の禁止を定めたほか、知的財産分野では特許と商標の国際出願条約加入を義務付けることを決定している。
バングラデシュにとって、日本は輸出先11位、輸入先9位、対内直接投資13位と、他国(インド・中国)と比べて貿易・投資上のプレゼンスが劣後しているが、他方で累積ベースでの二国間援助供与額は国別で最大となっている。2月3日には両国政府は、防衛装備品・技術の移転手続きを定めることなどを取り決めた防衛装備品・技術移転協定を締結している。日本政府としては、中国がバングラデシュとの間でモングラ港の拡張プロジェクトへの参画に合意するなど、同国やベンガル湾への影響力を拡大している中で、上記協定を通じてバングラデシュを「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」に繋ぎとめることを狙っているとみられる。
- [日本の景気は持ち直し]内閣府「景気ウォッチャー調査」によると、1月の現状判断指数は46.7(前月差▲0.1pt)へ3か月連続で低下した。基調判断は「持ち直している」に据え置かれた。
内訳を見ると、家計動向関連は47.1(▲0.1pt)と小幅に減少した。減少は3か月連続。そのうち小売関連(+1.8pt)や飲食関連(+0.5pt)が前月から上昇した一方で、サービス関連(▲3.0pt)や住宅関連(▲4.5pt)が低下した影響が相対的に大きかった。また、企業動向関連は49.5(+0.9pt)へ3か月ぶりに上昇した。製造業(+0.9pt)、非製造業(+1.0pt)ともに上昇した。家計動向や企業動向に比べて、雇用関連は47.2(▲1.4pt)への2か月ぶりの低下が目立った。
2~3か月先の景気を表す先行き判断指数は50.1(+0.6pt)へ上昇し、3か月ぶりに50を上回った。 家計動向関連は49.9(+0.7pt)へ3か月ぶりに上昇した。住宅関連(▲4.6pt)が低下したものの、小売関連(+0.6pt)や飲食関連(+2.0pt)、サービス関連(+1.7pt)が上昇した。飲食関連とサービス関連は50を上回っており、先行きの明るさが見えつつある。企業動向関連は51.5(+1.5pt)へ2か月連続で上昇し、2か月連続で50超になった。製造業(+1.9pt)、非製造業(+0.9pt)ともに上昇し、ともに50超だった。ただし、先行きについても、雇用関連は48.3(▲2.5pt)へ低下し、2か月ぶりに50を下回った。
- [アルゼンチンの労働改革前進]2月11日、ミレイ政権が断行している労働改革の上院での審議が始まり、政権は支持確保に向けて広範な交渉を進めている。これは、ペロン主義的な社会・経済構造を変革する試みである。アルゼンチン経済は過剰な労働者保護により、民間雇用の停滞に陥ったとされる。2011年以降では、人口が約15%増加したにもかかわらず、正規雇用はほとんど増加しておらず、労働者の50%超が法的保護のない非正規労働に従事している。ミレイ政権はこの現状を、複雑な規制と訴訟を乱発する労働慣行が招いた「雇用の破壊」と断じ、経済再生のための最重要課題として労働市場の現代化を位置づけている。本改革の意義は、長年企業の採用意欲を削いできた法的不確実性を一掃し、雇用コストの予測可能性を確立することで、外資参入や新規雇用の障壁を根本から取り除く点にある。ミレイ政権も2年目に入り、最重要課題は経済成長と正式雇用の創出であり、労働改革はそのための一歩だと強調している。
具体的には、雇用の流動化を促す施策として、従来の3か月であった試用期を6か月から最大12か月へと大幅に延長することを目指す。この期間内であれば解雇補償金なしでの契約終了が可能となり、企業の採用リスクは劇的に低減される。さらに、解雇コストの予測可能性を高めるため、解雇補償金の算出基礎からボーナス等を除外して基本給ベースに限定した。また、職場封鎖を伴うストライキ中の労働者に対して補償金なしの解雇を容認するなどストライキ権の縮小や、退職金支払いに関する裁判所の裁量の制限、最大12時間の労働時間の許可などが含まれる。一方で、労働裁判所が伝統的に組合寄りの傾向を持つため、法案が成立しても憲法違反訴訟などの司法の厚い壁を越えられないリスクが指摘されている。
この改革への反応は、労働組合が権利を100年前に戻すものだと猛反発し、大規模なデモを繰り返している。一方、ミレイ大統領の支持基盤である若年層や非正規労働者は、従来の制度では守られなかったという不満から、「現状よりはマシ」としている。2026年2月現在、ミレイ大統領の支持率は40-45%前後を維持しており、国民の多くが現在の苦境を前政権の「ツケ」と理解し、耐えている実態がある。政治の現場では、州知事への働きかけが鍵を握る。州知事たちは、地元組合との摩擦を回避するため、「既存労働者の既得権益を守る不遡及の徹底」などの要求や、停止されていた州の公共事業予算や税分配の再開を勝ち取るという、政治取引が展開されている。
ミレイ政権の労働改革の成否は、国民の忍耐が限界を迎える前に、失業率低下、正規労働者数の上昇という実証データを示せられるかにかかっている。
- [ナミビア深海油田開発]2月6日、仏資源大手・トタル・エナジーズ(トタル)とブラジル国営石油会社・ペトロブラスは、ナミビア沖の深海油田探査鉱区(PEL104)の42.5%の権益をそれぞれ取得したと発表した。ナミビア政府は権益取得にあたっては政府の最終承認が必要だと主張しているが、取引が決定すればトタルとペトロブラスがあわせて85.0%の持分を所有し、残り10%をナミビア国営石油会社(NAMCOR)、5%をエイト・オフショア・インベストメンツ・ホールディングスが保有することとなる。
ナミビア沖のオレンジ海盆では、2022年に英資源大手・シェルがPEL39で「Graff油田」を、トタルがPEL56で「Venus油田」と呼ばれる大規模油田を相次いで発見し、2030年までに一大産油国になるとの期待が高まっていた。ナミビアの推定原油埋蔵量は約110億バレルと、世界最大の埋蔵量を持つベネズエラの約3,000億バレルと比較すれば小規模だが、世界最速で原油生産が進められているガイアナの約100億バレルに匹敵している。ナミビアの地質は、ガイアナや、約500億ドルの埋蔵量を持つブラジルとかつて一つの大陸だったことから相関性が認められていることも注目を集める理由のひとつとなっている。
しかし、ナミビアで課題となるのは油田の商業性だ。主な油田は世界的にも大深度となる深海3,000メートル付近の堆積層にあり、複雑な地質構造を持っていることから掘削面で技術的な難しさがある。さらに、ナミビアに埋蔵する原油は天然ガスの含有量が多い一方で、ナミビアの石油法によって原油掘削時に生じる随伴ガスのフレアリング(大気中での燃焼)や岩盤への再注入が禁じられている。オレンジ海盆はナミビア沖から約300km離れているため、原油生産は浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)が想定されているが、ナミビア政府が天然ガスを陸上に輸送し、国内で利活用する意向を示していることもオペレーターにとってコスト面での負担となる状況だ。これまでもシェルは2025年1月にGraff油田で掘削した9つの試掘井では商業性が確認できないとして4億ドルの減損処理を行っているほか、米資源大手・シェブロンも権益を有するPEL90においても商業性がなかったと発表を行っている。
こうした国際石油会社による「空振り」が続く中で、トタルは最も積極的にナミビアでの油田開発を進めようとしている。今回ペトロブラスと共に取得したPEL104や、Venus油田(PEL56)のほかにも、ポルトガル資源大手・ガルプと共同で権益を持つMopane油田(PEL83)や、カタール国営石油会社(カタール・エナジー)と共に最大所有者となっているPEL91を有している。トタルはナイジェリアの原油・天然ガスプロジェクトに参画しているほか、モザンビークやウガンダでも天然ガス・原油開発を進めている。一方のブラジルの国営企業であるペトロブラスは、ボルソナロ前政権時代はアフリカを含む海外の権益を売却し、国内油田の開発に注力していたが、ルーラ政権発足以降は再び南アフリカ沖やサントメ・プリンシペ沖など、アフリカでの権益拡大に意欲を示している。今回トタルとペトロブラスがナミビアの油田開発でパートナーシップを結んでいる背景には、両社が海外での新規油田開発に積極的であること、またブラジル国内で両社が10年以上提携してきた実績・信頼関係があること、そしてペトロブラスが地質学的にブラジルと類似しているアフリカの大西洋岸の複雑な地質に関する知見を有しているためとみられる(2月6日付、ロイター通信等)。トタルらが計画通りに2026年内に「最終投資決定(FID)」を下し、2030年までの生産を開始できるか注目が集まる。
- [米国/アルメニア/アゼルバイジャン]2月9日から11日にかけて、米国のバンス副大統領は旧ソ連構成国であるアルメニアおよびアゼルバイジャンを訪問予定であり、米国政府高官としては初の公式訪問となる。2月9日にアルメニアの首都エレバンへ到着し、パシニャン首相らと会談を実施した。会談の結果、米国とアルメニアは民生用原子力協力協定に署名した。米国は、アルメニアがロシア依存を縮小することを条件に、最大90億ドル規模の投資を提供する方針を示した。これにより、米国の小型モジュール炉(SMR)を含む原子力技術の輸出枠組みが整備され、老朽化したソ連時代建設の唯一の稼働原発であるメツァモール(Metsamor)原発の代替建設に米企業が参入できる可能性が生まれた。
アルメニア側はエネルギー多角化を重視しており、今回の米国との協力を「新たなページ」と位置づけている。さらに、ロシアメディアによると、米国はアルメニア向けに1,100万ドル相当の無人偵察機も供給する。パシニャン首相は「防衛能力強化につながる」と強調した。
バンス副大統領は2月10~11日にアゼルバイジャンも訪問し、アリエフ大統領らと会談を行う予定で、トランプ大統領が仲介したアゼルバイジャンと、アルメニア領を挟んだ飛び地ナヒチェワン自治共和国とを結ぶ物流ルート「トランプ回廊」の設置を後押ししたい考えとみられる。
- [欧州にとって重要な一週間]2月9日の週、欧州は、外交上極めて重要な一週間を迎えている。EU国防相会合、非公式欧州首脳会合、最も権威ある安保会議の一つであるミュンヘン安全保障会議(MSC)など、数々の重要なハイレベル協議が予定されている。
2月11日にはEU国防相会合が開かれ、ウクライナのフェドロフ国防相も出席してパトリオットなどの防空システムやドローン技術の協力などについて議論される予定。続く2月12日には非公式EU首脳会合が開催され、ドラギ前ECB総裁らを交え、地政学的変化を前に、経済的威圧や重要原材料の依存への対応策、単一市場政策の改善、欧州の競争力を高めるための方策などについて集中的に議論される予定。
さらに、2月13日から15日にかけて「安全保障版ダボス会議」ともいうべきミュンヘン安全保障会議が開催される予定。ゼレンスキー大統領、米国のルビオ国務長官、ドイツのメルツ首相らが参加予定の本会議では、戦後国際秩序が自明ではない中、欧州の安全保障、将来の米欧関係、多国間主義の再活性化、地域紛争、技術進歩と安全保障などの議題について議論が行われる予定。
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