- 2025年11月28日 社長コラム
- スーパームーン ~ アポロからアルテミスへ
- 2025年11月26日 コラム
- 躍進する中国のヒューマノイドロボット産業
- 2025年11月25日 調査レポート
- 財政・金融政策のノルム
- 2025年11月21日 調査レポート
- 垣間見られるユーロ圏経済の脆弱性
- 2025年11月20日 調査レポート
- 関税を下げたら価格も低下するのか?
- 2025年11月25日 調査レポート
- 財政・金融政策のノルム
- 2025年11月21日 調査レポート
- 垣間見られるユーロ圏経済の脆弱性
- 2025年11月20日 調査レポート
- 関税を下げたら価格も低下するのか?
- 2025年11月07日 調査レポート
- 矛盾する政策の限界に直面する2026年
- 2025年10月20日 調査レポート
- 「トランプ大統領がガザ和平のための「20項目の計画」を発表」 中東フラッシュレポート(2025年9月後半号)
- 2025年11月28日 社長コラム
- スーパームーン ~ アポロからアルテミスへ
- 2025年10月31日 社長コラム
- Healing Fiction ― 癒しを求める世界の傷ついた心
- 2025年09月30日 社長コラム
- 氷解する北極海~新たな地政学の前線
- 2025年08月20日 社長コラム
- 夏休みの自由研究:「生成AI~汎用人工知能、そして超知能」
- 2025年07月25日 社長コラム
- まもなくTICAD9、アフリカのことをあれこれ考えてみる
- 2025年11月26日 コラム
- 躍進する中国のヒューマノイドロボット産業
- 2025年11月19日 コラム
- 阿武隈の風が紡ぐ、再エネと復興の未来
- 2025年11月12日 コラム
- 水資源の有限性と食料生産
- 2025年11月06日 コラム
- 大きい普通の国に
- 2025年10月31日 コラム
- もう少しデータなどを確認したい
- 2025年12月01日 統計・グラフ集
- 「マクロ経済指標統計表」を更新しました
- 2025年11月14日 統計・グラフ集
- 「マクロ経済指標グラフ」を更新しました
- 2025年11月07日 統計・グラフ集
- 「金融関連指標グラフ」を更新しました
- 2025年10月22日 統計・グラフ集
- 「ランキング集(名目GDPランキング)」を更新しました
- 2025年10月22日 統計・グラフ集
- 「世界の貿易動向グラフ」を更新しました
デイリーアップデート (2025年12月03日)
- [中南米]米国が重要鉱物のアメリカ大陸内での採掘と精製を重視する姿勢を示したことを背景に、中南米諸国は域内でのサプライチェーン構築を加速している。各国政府がリチウムや銅などの鉱物を単にアジアへ原料として輸出するのではなく、域内で付加価値を高めることを目指す。
中南米は世界のリチウム埋蔵量の約60%を保有し、銅の生産量は世界の約46%を占める。ペルーとチリがその中心であり、ブラジルは世界で2番目に大きな希土類埋蔵量を持つが、採掘の難しさから生産量は少ない。一方、中国は希土類を含む重要鉱物を世界的に支配しており、その低価格が鉱山国の付加価値競争を困難にしている。
アルゼンチンでは、リチウムの約70%を中国に輸出しているが、電池などその加工品を輸入する際には8~9倍の価格となっている。チリ、アルゼンチン、ブラジルなどは精製や加工を国内で行い、価値を集約することを目指している。アジアとのコスト差を埋めるためには、長期購入契約を結び、資金調達を可能にすることが鍵となっており、チリがドイツと20年間分のグリーン水素を販売する契約を結んだことなどが注目されている。米国も中南米諸国との間で長期購入契約や投資協力を重要鉱物分野でも推進しようと模索している。
米州開発銀行(IDB)などもこの取り組みを資金面から後押ししており、アルゼンチンのサルタ州でリオティントが進める25億ドル規模のリチウム採掘・加工プロジェクトに1億ドルの融資も行っている。
- [南アフリカ(南ア)]12月2日、南ア統計局(Stats SA)は2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は+0.5%と発表した(前期比、季節調整済み)。プラス成長は4期連続となったが、前期の+0.9%を下回った。
産業別では、電気・ガス・水道以外の9つの産業でプラス成長となり、鉱業と卸・小売・飲食業の成長が最大の寄与度となった(+0.2%pt)。鉱業は鉄鉱石、ダイヤモンド、ニッケル、金の生産は減少したものの、白金族(プラチナ等)、マンガン鉱石、石炭、クロム鉱石、銅生産が堅調で+2.3%成長となった。農業も比較的好天が続いたことを受け、4期連続のプラス成長となる+1.1%を記録した。
需要(支出項目)別では、3期連続のマイナス成長となっていた国内総固定資本形成が+1.6%とプラスに転じた。輸送用機器と非住宅建築物の伸びが理由となった。GDPの6割強を占める民間最終消費支出は6期連続のプラス成長となる+0.7%で、主に新車販売の増加によって押し上げられた。家計・企業の消費が徐々に上向いていることを示している。8月に米国が南アに30%の相互関税を課したことにより(8月8日デイリー・アップデート参照)、輸出への影響に関心が集まったが、野菜、鉱物の輸出増により+0.7%と、前期の▲3.3%からプラスに転じた。
南アでは11月にインフレ目標が25年ぶりに引き下げられたこと(3%±1%、11月13日デイリー・アップデート参照)、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)のグレーリストから除外されたこと、格付け大手S&Pによる格上げ(11月17日デイリー・アップデート参照)、電力公社エスコムの経営安定化により同社が営業黒字を記録したことなどを受け、景気は明るさを見せ始めている。
今回のGDPの発表を受けて、南ア国内ではこの傾向が続けば将来の経済成長率を押し上げるとの見方もあれば(12月2日、英Reuters紙)、年初来の平均成長率は依然として+0.5%に留まっているため通年では+1.0%に届かないとの見方もある(12月2日付、南ア・IOL紙等)。11月に南ア財務省は2025年通年の実質GDP成長率は+1.2%、26年は+1.5%に達すると予測しているが、深刻な失業問題を改善させるためには+3%程度の成長が必要だと指摘する声もある(12月2日付、南ア・BusinessTech紙等)
- [ウクライナ/ロシア/米国]12月2日、ロシアのプーチン大統領は首都モスクワで、米国のウィトコフ和平交渉担当特使らと、侵攻を続けるウクライナを巡りトランプ政権が提示した和平案について協議を実施した。会談は深夜まで約5時間に及んだが、ロシアが求めるウクライナ東部2州や南部クリミア半島の割譲や、ウクライナが重視する安全の保証について双方の隔たりは大きく、目立った成果に至らなかったようである。ロシアのウシャコフ大統領補佐官は会談後の記者会見で「まだ妥協点は見つかっていない」と、取り組むべき課題が多くあることを示唆した。プーチン氏が米国の提案の一部に否定的な反応を示したという。また、ウシャコフ氏は、協議は建設的で、米ロの経済協力に大きなチャンスがあるとする一方、米ロ首脳間の会談は現時点では計画されていないとも述べた。
- [シリア/イスラエル/米国]12月1日、トランプ米大統領は自身のTruth Socialに投稿し、「イスラエルがシリアと強力かつ誠実な対話を維持し、シリアが?栄する国家へ発展する上で妨げとなる事態が生じないことが極めて重要だ」と述べ、イスラエルによるシリア領内での継続的な攻撃や軍事行動をけん制した。また、「シリアのシャラア新大統領は良い成果を生み出すため努力しており、シリアとイスラエルが長期にわたって繁栄する関係を築くことを望んでいる」とも付け加えた。
この投稿の直後、トランプ大統領とネタニヤフ首相は電話会談を行い、その中でトランプ大統領はネタニヤフ首相をホワイトハウスへ招待したとされる。同首相は、すでに年内(2025年)4回ホワイトハウスを訪問しており、再訪となれば5回目となる。こうした頻度での外国首脳の訪問は極めて異例である。
ネタニヤフ首相は、イスラエルが現在占領している国境地帯からダマスカスに至るエリアを非武装地帯とするのであれば、シリアとの安全保障協定の合意は可能であるとの見方を示している。一方でシリア政府は、イスラエルという国家そのもの承認しておらず、さらに2024年12月以降にイスラエルが新たに占領したシリア領からの撤退を求めており、協定に向けた協議はほとんど進展していない。
これに先立つ11月28日には、イスラエル軍がシリア南部ベイト・ジンを攻撃し、子ども2人を含む13人が死亡、少なくとも25人が負傷したと地元メディアは報じている。イスラエル軍は同地域の武装勢力に所属する若者2人を拘束しようとしたとの情報もあり、その過程で衝突が発生し、イスラエル兵6人も負傷した。シリア政府は、この攻撃を「虐殺」であり「明白な主権侵害」と非難し、シリア外務省も「完全な戦争犯罪に当たる」と強く批判した。
- [EU]12月1日、独高級経済紙『ハンデルスブラット』は、欧州委員会がエンジン車の新車販売を原則禁止した規制を緩和する方針だと報じた。複数の欧州委員会高官が明らかにしたという。
EUは交通部門からのCO2排出削減を目的として2022年にエンジン車の新車販売禁止の方針を決定したが、2023年には温室効果ガス排出をゼロとみなす合成燃料を使う場合に限り、2035年以降もエンジン車の販売継続を容認する例外を設けることで合意していた。今後の規制緩和でバイオ燃料などの使用も認められれば、当初の禁止方針は骨抜きになるが、欧州委員会高官によると、低排出の先進的なバイオ燃料を使用した内燃機関を搭載した車も容認する意向とのこと。
ツィツィコスタス欧州委員(持続可能な運輸・観光担当)は、『ハンデルスブラット』紙に対し、「我々は目標を堅持したいが、その際には、最近の地政学的動向をすべて考慮に入れなければならない。競争力を損なうことのないよう注意しながら、同時に欧州産業が技術的優位性を維持できるよう支援しなければならない」と述べた。
11月28日、メルツ独首相は、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長宛ての書簡で、自動車排出基準の見直しにおいて、プラグインハイブリッド、バッテリーハイブリッドなどを念頭に「高効率」な内燃機関を搭載した自動車も考慮に入れるよう要請していた。
欧州委員会は12月10日までに今後の方針をまとめたパッケージを提出する予定にしていたが、ツィツィコスタス欧州委員は遅れる可能性を示唆している。
- [EU]欧州統計局(Eurostat)によると、11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年同月比+2.2%だった。上昇率は10月(+2.1%)から小幅に拡大したものの、9月と同じだった。ならしてみれば、2%前後の上昇率が継続している。また、食品とエネルギーを除くコア指数は+2.4%で、9月以降同じだった。物価の基調は安定しているものの、やや高い状態を続けている。
内訳をみると、食品が+2.5%であり、10月と同じだった。エネルギーは▲0.5%とマイナスが継続した。ただし、下落率は10月(▲0.9%)から縮小した。非エネルギーの財は+0.6%で10月と同じであり、サービスは+3.5%と10月(+3.4%)から上昇率を小幅に拡大させた。
国別にみると、キプロス(+0.2%)やフランス(+0.8%)が1%を下回った。その一方で、エストニア(+4.7%)やクロアチア(+4.3%)、オーストリア(+4.1%)が4%を上回った。主要国では、ドイツは+2.6%(10月から+0.3pt)へ拡大した。フランスは+0.8%で10月から横ばい。イタリアは+1.1%(▲0.2pt)へ、スペインは+3.1%(▲0.1pt)へ小幅に縮小した。
物価上昇率が欧州中央銀行(ECB)の中期目標の2%前後で推移しているため、ECB理事会は政策金利を据え置くと、市場では予想されている。これまで複数のECB高官が、物価上昇率が目標の2%前後で安定していること、物価上昇率が目標から乖離(かいり)したとしても小幅であれば政策金利を変更する必要がないこと、などを主張してきたこともある。なお、このHICPは2026年2月公表分から2025年基準に切り替えられる予定になっている。
レポート・コラム
SCGRランキング
- 2025年11月20日(木)
「景気とサイクル」景気循環学会40周年記念号第80号に、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之が寄稿しました。 - 2025年11月18日(火)
『日本経済新聞(電子版)』に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行のコメントが掲載されました。 - 2025年11月17日(月)
『Quick Knowledge 特設サイト』に、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之のQuick月次調査・外為11月レビューが掲載されました。 - 2025年11月13日(木)
『日経ヴェリタス』に、当社シニアエコノミスト 鈴木 将之のコメントが掲載されました。 - 2025年11月11日(火)
『週刊金融財政事情』2025年11月11日号に、当社チーフエコノミスト 本間 隆行が寄稿しました。
