デイリー・アップデート

2019年2月1日 (金)

[フランス] 2018年第4四半期のGDP成長率は前期比+0.3%で、第3四半期と同水準だったが、フランス国立統計経済研究所(INSEE)の事前予測値である+0.2%は上回った。第4四半期のGDP成長率は想定ほど悪くなく、フランス経済は堅調に推移した。「黄色いベスト運動」の影響などもあり、個人消費と設備投資は予想通り鈍化したが、輸出の伸び(前期比+2.4%)が輸入の伸び(前期比+1.6%)を上回ったことがプラスに作用した。

[金] World Gold Councilが需給四季報(2018Q4/2018通期)を発表。特に注目されたのが中央銀行など公的機関による金購入量の大幅増加。年間金需要4,345.1tに対し、公的購入量が651.5tと前年比74%増加し、ドルと金の兌換停止が発表された1971年以降で最大となった。新興国の中央銀行はドル中心の外貨準備の多角化を進めており、2018年にはロシアが274.3tを購入。その他、カザフスタン・インド・ハンガリー・ポーランド・モンゴルなども金準備を増やした。なお投資地金の需要は4%増、宝飾品は前年並み。

[メキシコ] 第4四半期のGDP成長率は前期比0.3%増、前年比1.8%増。いずれも第3四半期よりも減速。産業別では鉱工業が落ち込んだものの、農林水産業とサービス業は堅調。需要別の数値は速報では公表されないが関連指標からは各項目とも堅調に推移したと思われる。

[ウクライナ] 現職のポロシェンコ大統領が、3月31日に予定されている大統領選挙に出馬すると発表。再選を目指すが、支持率では先に出馬表明した人気コメディアンのウラジーミル・ゼレンスキー氏やユリア・ティモシェンコ元首相に遅れを取っており、苦戦が予想されている。

[ベルギー] 1月31日に気候変動問題への意識喚起、温暖化対策を訴えるデモ(連続4週目)が行われ、授業を放棄した学生が参加。ベルギー当局の発表では、ベルギー全体で約3万人、ブリュッセルで1万2,500人が参加。同デモはドイツやスイスへも広がっている。

[米/中] 1月30~31日、ワシントンで行われた米中閣僚級貿易協議が終了。米側は、進展はあったがやるべきことはまだ多いとの声明を発表。劉鶴副総理はトランプ大統領と面会の際、習国家主席の親書に従い、米国産大豆の輸入を500万トン増やすと伝えた。トランプ大統領は、習国家主席との直接会談を受け入れる意向を表明したが、交渉期限の3月1日を延長する可能性は最終的に否定した。首脳会談は、中国側が2月末、海南島での開催を提案したとの報道がある。

[イラン/欧州] 米国がJCPOAから離脱し一方的に対イラン再制裁を課したのに対し、英・独・仏の欧州3か国はイランが依然JCPOAを遵守していることを理由に、欧州企業のイランとのビジネス継続を可能にする特別目的事業体(SPV)としてINSTEX(貿易取引支援機関)をフランスで立ち上げた。当面は食料や医療品など人道支援物資の取引に限るが、将来的には適用範囲を拡大していく方針。これで大きく状況が変わることはないが、欧州側からの強い意志表明になる。

[欧州] 2018年10-12月期のユーロ圏の経済成長率は、前期比+0.2%となり、23四半期連続プラス成長となった。7-9月期も+0.2%成長であり、2018年下半期は巡航速度である潜在成長率を下回る成長となった。10-12月期にドイツは小幅プラス成長に回復したとみられる一方で、イタリアでは前期からマイナス成長が続き、リセッション状態となった。ユーロ圏景況感指数(ESI)は2017年末をピークにして、足もとの2019年1月まで低下トレンドが続いているため、ユーロ圏は成長鈍化傾向から抜け出せていないようだ。

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