デイリー・アップデート

2020年5月7日 (木)

[中国] ◇5月6日に開催された国務院常務会議で、中小企業支援、新型コロナウイルスでダメージを受けた交通運輸・観光・サービス業の救済、失業者対策などのため、90項目以上の政策を実施することが決定された。◇5月1日から始まった五連休の間、中国国内の旅行者数は1.15億人、観光収入額は475.6億元であった。昨年比でみると旅行者数は41%減であったのに対し、消費額は60%減であった。理由として、まだ再開していない商店やサービスがあること、収入の減少のため消費が抑制されたことなどが挙げられる。

[イラク] 5月7日、議会の承認を得てムスタファ・カーゼミー氏が首相に就任し、約半年間にわたる首相空白期間に終止符を打った。閣僚に関しては、22の閣僚ポストのうちこれまで15ポストについて承認を得ており、残りは今後の審議となる。カーゼミー氏は元ジャーナリストで、直近は国家諜報機関のトップを務めていた人物。新型コロナ禍と油価暴落の影響でダメージを受けた経済の立て直し、治安の維持、米・イランとのバランスの取れた外交など、今後の政権運営の課題は多い。

[米国] 米供給管理協会(ISM)によると、4月の製造業景況感指数は41.5となり、前月(49.1)から7.6ptの低下となった。また非製造業景況感指数は41.8となり、前月(52.5)から10.7pt低下、2009年12月以来はじめて、好不況の境目となる50を下回った。いずれも入荷遅延指数が上昇しており、サプライチェーンの混乱や営業停止などが悪影響を及ぼしている。また、新規受注指数も急落しており、先行きへの不確実性が大きい状態に陥っている。

[カザフスタン] 5月2日、トカエフ大統領は、長年にわたって実権を握ってきたナザルバエフ前大統領の長女ダリガ・ナザルバエワ上院議長(56)を解任したと発表し、代わりに大統領顧問なども務めてきたアシンバエフ大統領府副長官(49)を新上院議長に任命した。トカエフ大統領はナザルバエフ氏に忠実なことで知られ、長女ダリガ氏が権力を確立するまでの「つなぎ」との見方があったことから、突然の解任に驚きが広がっている。

[中国] 4月30日、証券監督管理委員会(証監委)と国家発展改革委員会(発改委)は、連名の通達でインフラ領域のREIT(不動産投資信託)の創設の原則、そのモデル案件の条件などを明確化した。中国がREIT創設を認可するのは初めて。地方の発改委が通達の原則に基づいて、建設・設置後3年超経過した既存案件の中からモデル案件候補を上申し、国家発改委から証監委に推薦して審査・選定されるが、対象となるインフラ資産は倉庫、有料道路、空港・港湾など交通施設、水道・電気・ガスなど公共施設、工業団地などに限定され、住宅や商業施設は含まれない。インフラ投資に民間資金を呼び込むことが所期の狙い。

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