デイリー・アップデート

2020年6月16日 (火)

[アイルランド] 今年2月の総選挙から政権の空白が続いていたアイルランド共和国で、6月15日に共和党、統一アイルランド党、緑の党の三者が連立政権樹立に向けた政策協定(5か年計画)で合意した。この政策協定成立には、各党の党員投票による承認が必要となる。政策合意が承認されなかった場合、解散総選挙が行われる可能性も残されている。

[米国/中国] 6月13日、中国人民銀行は、連通(杭州)技術服務有限公司(連通)に対しクレジットカード清算業務の申請を許可した旨、公示した。連通は、米国クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)が中国企業と折半出資で設立した合弁会社。中国国内のカード清算業務は、これまで銀聯の独占だったが、今回の許可により、提携先銀行などから発行されたアメックスブランドのクレジットカードについては、連通自身が行えることになる。中国の金融分野における改革開放の一環。

[中/ロ] ロシア北極科学院のValery Mitko教授(78)が、中国諜報機関に機密情報を渡した容疑で2月にロシア当局に逮捕されていたと、Mitko氏の弁護士が明らかにした。Mitko教授は数年前から大連海事大学で定期的に水中音響学に関する講義を行っており、その際に水中音響や潜水艦の探知方法に関する機密情報を中国側に流したとされている。Mitko氏側は、使用した資料はオープンソースの科学的資料で、中国諜報機関に情報を渡したこともないとして容疑を否認している。もし有罪判決が確定すれば、最高で懲役20年の刑が科されることになる。

[サウジアラビア] 今年のイスラム教徒の聖地メッカ・メディナへの大巡礼(ハッジ)が、新型コロナ禍で中止の危機にある。今年の大巡礼は7月末からの予定であるが、サウジでは今週に入って新型コロナウイルスの一日の新規感染者数が初めて4,000人を超えるなど、未だ収束の気配がない。サウジ当局は、2月に小巡礼(ウムラ)を停止し、3月には大巡礼に関してもまだ計画を立てないようにと世界のイスラム教徒に勧告を出したが、大巡礼が中止となればサウジ建国以来初となる。

[米国] 米国経済が新型コロナウイルス感染拡大の深刻な影響を受ける中、米国人の雇用機会の確保を優先することを目的として、トランプ政権は新会計年度が開始される今年10月から高技能を有する外国人向けに発給されているH1-Bビザ等の発給を停止する計画について、ホワイトハウス高官や国土安全保障省、労働省等と調整しつつ現在検討中。こうした動きに対して、むしろ米国経済の成長を阻害することになるとして、米議会や経済界から見直しを求める動きが表面化している。

[中国] 中国国家統計局が発表した5月の鉱工業生産は前年同月比で2か月連続増となり、小売と投資はマイナスが続いたが、マイナス幅は前月より縮小した。5月の鉱工業生産は前年同月比4.4%増、伸びは4月(同3.9%増)から拡大。販売が回復している自動車の生産(同19%増)が全体をけん引、在宅勤務で需要が高まるパソコン(同22%増)も好調だった。5月の小売売上高は前年同月比2.8%減(4月同7.5%減)、1~5月の固定資産投資は前年同期比6.3%減と減少幅は1~4月(同10.3%減)から縮小した。

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