デイリー・アップデート

2020年11月30日 (月)

[イラン] 11月27日、イランの著名な核科学者であるモフセン・ファクリザデ博士が、首都テヘランを車で走行中に武装集団の襲撃を受け殺害された。ロウハニ大統領やザリーフ外相などイラン政府高官は、同氏の殺害事件についてイスラエルが行った暗殺であると強く非難し、適切な時期に報復を行うことを宣言した。イスラエルのネタニヤフ首相は、2018年に行ったテレビ演説で、イランの核開発計画を長年主導してきた同氏を名指しで非難し、「ファクリザデという名前を良く覚えておくように」と警告を出していた。

[米国] 11月29日、バイデン次期大統領はホワイトハウスのコミュニケーションズ・チーム高官を発表したが、高官ポストすべてに女性を登用した。大統領報道官にはオバマ前政権で国務省報道官に就任していたジェン・サキ氏を起用するとともに、ホワイトハウス・コミュニケーションズ担当部長にはバイデン陣営で報道官に就任していたケイト・べディングフィールド氏を起用。女性の積極的登用で米国の多様性を反映している。

[ベトナム] 11月29日、政府統計総局(GSO)は、11月の輸出額が前年同月比(以下同)+8.8%の248億ドル、輸入額は+13.4%の242億ドル、貿易収支は6億ドルの黒字と発表。輸出品目では、「電話・電話部品」の金額が+4.6%の47億ドルで最大。「電子・電子部品」が+16.3%の38億ドル、「機械・機械設備」が+55%の27億5,000万ドルと続いた。輸入品目では、「電子・電子部品」の金額が+39.6%の61億ドルで最大。「機械・機械設備」が+6%増の33億5,000万ドル、「電話・電話部品」が+66.3%の20億3,000万ドルだった。

[欧州] 欧州委員会が公表した11月のユーロ圏景況感指数(2000~2019年の平均=100)は87.6となり、前月の91.1から低下した。内訳をみると、特に小売業やサービス業が前月から大きく低下している一方で、製造業や建設業の下げ幅は限定的であり、9月の水準を上回っていた。また、国別にみると、イタリアやフランスの下げ幅が大きい一方で、ドイツやスペインは小幅低下にとどまり、オランダはむしろやや上昇していた。感染拡大とその抑制措置が広がる中で、それらの影響は国・地域や産業によって異なっている。

[EU] 11月27日、欧州議会と理事会がEU共通農業政策(CAP)の経過ルールに関する政治合意に到達した。経過ルールはCAP改革の第1歩であり、「環境・気候目標に関して少なくともCAPの現在の野心レベルを維持しGreen Dealの目標に貢献する」ことをEU加盟国が約束し、一度約束した場合はその約束を取り消すことができない、というもの。今後、包括的なCAP改革協議が継続される。

[中国] 11月29日、2021年度国家公務員試験の筆記試験が行われた。募集総数25,726人に対し、受験資格審査に合格した応募者総数は157.6万人、平均倍率は61倍。前年度に較べ、それぞれ、+6.6%、+9.7%、+1.7%p増加した。来年1月に成績発表後、2月には募集した政府機関による面接試験が個別に実施される。北京・上海・広州市所在の政府機関への人気が高く、国家統計局広東調査総隊のポストは3,334倍と今年の最高倍率となったが、内蒙古の鉄道警察、新疆の消防などでは応募者のないポストもあった。

[インド] 11月27日、2020年7-9月期(第2四半期)の実質GDP成長率が前年同期比▲7.5%だったと発表された。前期(同▲23.9%)から大幅に改善し、景気が回復に向かっていることが示されたが、2期連続のマイナス成長(インドでは初めて)。実質GVA(粗付加価値)成長率も同▲7.0%で、前期(同▲22.8%)から大幅に改善。製造業が同+0.6%と前期(▲39.3%)から大幅に改善した。

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