デイリー・アップデート

2021年2月25日 (木)

[カンボジア/インド] カンボジア商業省は2月中旬、次の自由貿易協定(FTA)の交渉をインドと進めていく意向を示した。各国・地域とFTAを進め貿易拡大を目指す考え。既に2020年10月に中国と、また2021年2月には韓国とFTAを締結している。在カンボジア・インド大使館によると、2019年のカンボジア・インド間の貿易総額は前年比10%増の2億5,000万ドル。同年のインド向け財の輸出は同69%増の8,200万ドル、同輸入は同6%減の1億6,800万ドルだった。

[台湾] 降水量の不足により、台湾ではダムの貯水率が10%前後まで低下し、台湾積体電路製造(TSMC)や聯華電子(UMC)、世界先進積体電路(VIS)は給水車を配備した。TSMCでは水使用量の削減、排水回収、再生水利用増加などの節水措置を進めているが、給水車の使用は2015年以来。当時TSMCは給水車180台を用意したが、今後、半導体・液晶パネルメーカー間で水を奪い合う事態も起こりかねず、給水に支障が生じれば、半導体供給のさらなるひっ迫や製造コスト上昇につながる恐れがある。

[米/サウジアラビア] バイデン米大統領がサウジのサルマン国王と大統領就任後初めて電話会談を行うとの予定が発表された。2018年にトルコのサウジ領事館で殺害されたサウジ人ジャーナリスト・カショギ氏に関する米国家情報局による調査レポートの公表に関する事前連絡となるもよう。トランプ政権下で非公表とされてきた同レポートをバイデン政権は公表する方針を示しているが、同レポートはカショギ氏殺害へのサウジのムハンマド皇太子の関与に言及しているとされており、米・サウジ関係への影響も懸念されている。

[米国] 2月24日(米国時間)、バイデン大統領は重要部材の米国内での生産増大を図ることを目的として米国のサプライチェーンの問題点を検証するよう指示する大統領令に署名した。米国の技術・国防にとり重要な分野である半導体、蓄電池、医薬品、レアアースの4分野におけるサプライチェーンの問題点の検証を大統領令の署名から100日以内に完了し、関係省庁の長官が報告書を大統領に提出することが義務付けられている。

[EU] 新型コロナウイルス変異種の出現・感染拡大に際し、一部EU加盟国が独自の国境管理政策を実行していることを受け、欧州委員会が当該6か国(ドイツ、ベルギー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ハンガリー)に対し、モノとヒトの移動に関してEU内の協調的な対応を取るよう要請。10日以内に移動制限措置の妥当性を説明するよう求めている。

[中国] 2月24日、中国人民銀行は、香港金融管理局、タイ中央銀行、UAE中央銀行、中国人民銀行デジタル通貨研究所が共同で、「多国間中央銀行デジタル通貨ブリッジ研究プロジェクト(m-CBDC Bridge)」を開始すると発表した。香港金融管理局とタイ中銀は、2019年から中央銀行が発行するデジタル通貨のクロスボーダー決済の研究に着手、プロトタイプの構築を終えており、その第二段階の「m-CBDC Bridge」にUAEと中国が加わるもの。SWIFTとの合弁に続く、デジタル人民元国際化に向けた新たなステップと理解される。

[中/露] ロシア極東の主要産業の一つ、漁業が苦境に陥っている。輸出の6割を占める中国が新型コロナウイルスの水際対策を理由に昨年から水産物の輸入規制を厳格化し、ロシアは輸出先を失った。極東開発を統括するトルトネフ副首相はこのほど、ウラジオストクでの漁業関係者との会合で「一国への輸出に過度に依存できない」と強調。冷凍魚のままでの輸出を減らしロシア国内での加工能力を拡大、輸出先の多角化も急ぐ考えを示した。

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