デイリー・アップデート

2021年6月16日 (水)

[米国] FRBによると、5月の鉱工業生産指数は前月比+0.8%となり、3か月連続の増産となった。自動車産業は増産したものの、半導体不足などが下押し圧力になっている。また、設備稼働率は前月から+0.6pt上昇の75.2%となったものの、過去平均を下回っており、経済のスラック(需給の緩み)の回復は道半ば。一方、商務省によると、5月の小売売上高は前月比▲1.3%だった。外食が+1.8%と増加するなど、サービス消費の増加が期待されている。

[ドイツ] 6月11日から3日間の日程で行われた「緑の党」党大会は、ベーアボック共同党首を首相候補として正式に選出した。4月中旬に首相候補として発表されたのち、彼女自身の経歴の不備や臨時収入の対議会報告の不備などでイメージが悪化。5月初頭には与党CDU/CSUの支持率を上回ることがあったものの、同月中旬ごろから支持が下がる傾向がみられる。なお、連邦議会選挙は9月26日に予定されている。

[イスラエル/パレスチナ] 6月15日、エルサレム旧市街のアラブ人地区であるダマスカス門前で、ユダヤ民族主義者や入植者団体を含む極右の若者たち約千人がイスラエルの国旗を掲げて大々的な行進を行った。同行進に対する抗議として、パレスチナ自治区ガザから発火物の付いた風船が飛ばされたが、これがイスラエル南部で複数の火災を発生させたとして、16日未明にイスラエル軍はガザ地区2か所に対する報復空爆を実施した。イスラエルによる空爆は、5月21日の停戦合意以来初めて。

[米国/EU] 6月15日、米国とEUは、2004年から続いているエアバス・ボーイング補助金紛争をめぐり、今後5年間、互いに報復関税の賦課を差し控えることで合意。さらに中国の大型航空機製造業の台頭を受け、両者が協力して対処する方針を確認した。米・EU閣僚級ワーキンググループを設置し、民間大型航空機製造業に対する政府支援のあり方を検証するとともに、対中投資などについても方針を一致させる予定。すでに2021年3月から、米国・EUは相互に制裁関税の一時停止に合意していた。

[米/ロ] スイス・ジュネーブでの米ロ首脳会談を控えた今月11日から14日まで米CBS Newsは最新世論調査を実施した。「バイデン大統領はプーチン大統領に対して厳しい立場を示すべき」との回答が58%に達した一方、バイデン大統領が首脳会談で取り上げるべき最優先課題としては、米国を標的にしたロシア関連のサイバー攻撃が最上位となったことが判明。ポスト冷戦期において両国関係が最低水準にあることを裏付ける米世論の厳しい対ロ観が反映された結果となっている。

[ベトナム] 国家統計総局(GSO)によると、2021年1~5月のベトナムからEU向けの輸出額は、前年同期比+20.1%の161億ドル、EUからの輸入額は+16.8%の67億ドルと輸出入額とも2桁台の伸びとなった。2020年8月に発効したベトナム・EU間の自由貿易協定(EVFTA)により双方の貿易が拡大したとみられる。

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