デイリー・アップデート

2021年6月23日 (水)

[米国] バイデン政権は、先月下旬にベラルーシ当局が反体制派ジャーナリストの搭乗した民間航空機を首都ミンスクに強制着陸させ逮捕したことを受け、EU等とともにルカシェンコ大統領の側近ら政府高官らを対象にした制裁措置を発動。6月16日に行われた米ロ首脳会談でバイデン大統領はプーチン大統領に対してロシア国内の反政府活動家らに対する人権弾圧に重大な懸念を表明したが、ロシアへの牽制という観点からも対ベラルーシ制裁措置発動は政治的意味を持つ。

[ミャンマー] 5月の同国向け海外直接投資(FDI)が急拡大した。ミャンマー投資委員会(MIC)の事務局である投資企業管理局(DICA)によると、5月のFDI認可額(ティラワ経済特区=SEZ除く)は25億235万ドルだった。年度(2020年10月~2021年9月)認可目標額58億ドルのうち、2020年10月から5月までで進捗率65%に達し急上昇した。英国からの25億444万ドル規模のLNG発電プロジェクトへの新規投資が認可されたことが大きく寄与した。一方、香港の3件(8,091万ドル)が撤退した。

[中国] 政府は「3人っ子」政策に転換し、法改正にも着手したが、同時に多くの地域で家庭の出産意欲などに関わるアンケート調査を実施している。6月22日付の界面新聞が伝えた。一例として、国家統計局西安調査隊が出産育児適齢の青年男女100名に行った結果では、◇92%が3人目を持つ意欲がない ◇高収入、高学歴の者ほど2、3人目の意欲が低い ◇年齢が高いほど2、3人目の意欲が高い ◇既に2人目がいる家庭ほど3人目の意欲が高い ◇子供を持つ意欲に影響する4要素:子育てコスト、時間・体力、女性の年齢、教育に対する質的要求の高さ、など。

[イスラエル] ラピード首相代理兼外務大臣が6月29~30日にUAEを訪問することが明らかになった。昨年9月に両国が国交正常化に合意して以来、閣僚級では初めての訪問となる。昨夏以降ネタニヤフ前首相が在任中に幾度となくUAE訪問を調整したが、もろもろの理由で実現しなかった。ラピード氏はUAE滞在中に、アブダッラーUAE外務・国際協力大臣との会談に加え、在アブダビ・イスラエル大使館及び駐ドバイ総領事館の開所式に参加する予定。

[米国] 6月22日、上院国際貿易小委員会にて公聴会が実施され、アジア太平洋地域における多国間通商体制が取り上げられた。出席した証人4名はいずれも、経済成長の源であるアジア太平洋地域において、米国抜きの通商体制が構築されつつあることに警鐘を鳴らし、米国の積極的な対アジア関与を訴えた。カトラー元USTR次席代表代行は、米国が本格的な通商交渉に速やかに復帰できずとも、デジタル貿易など個別分野のルール策定交渉に臨むことはできるはずだと指摘した。

[ロシア/ミャンマー] 6月22~24日、ミャンマー国軍トップのミン・アウン・フライン最高司令官がモスクワで開かれる安全保障関連の会議に出席するためロシアを訪問し、ロシアの安全保障担当の高官らと相次いで会談を行った。軍事上の関係強化をアピールする狙いがあるものとみられる。

[EU] 6月22日、欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会(ENVI)が、欧州医薬品庁(EMA)の権限を拡大するための交渉方針を可決。7月に行われる議会本会議で採決が行われ、その後欧州委員会と協議が行われる見込み。欧州議会が求めているのは、欧州医薬品供給データベースの構築、臨床試験の調整・組織化と透明性向上、EMA組織内グループの透明性向上など。昨年11月に発表された欧州委員会案では、組織内グループの透明性は提案されていなかった。

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