デイリー・アップデート

2021年11月30日 (火)

[中国] 11月30日、国家統計局と中国物流購入連合会が発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月を0.9ポイント上回り50.1となった。景況感の境目となる50を8月以来3か月ぶりに超えた。電力不足による影響が緩和されたことに加え11月は労働日数が多かったことも生産増に寄与した。11月の建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは前月から0.1ポイント下回り52.3だった。

[日本] 経済産業省「鉱工業指数」によると、10月の生産は前月比+1.1%と、4か月ぶりの増産になった。それまで減産していた自動車工業が増産に転じ、生産用機械工業や汎用・業務用機械工業などの生産も増加した。また、製造工業生産予測指数は11月、12月と増産が見込まれており、今後の生産の持ち直しが期待される。車載用半導体不足が最悪期を脱し自動車生産なども回復に転じている中で、緊急事態宣言も解除され、生産体制が回復しつつあった。

[ロシア] 11月29日、天然ガス世界最大手ガスプロムは、今年の9か月間の収益が1.5兆ルーブル(約2.3兆円)になったと発表した。世界的なエネルギー危機の影響で天然ガス価格が高騰したことで、過去最高益を記録した。ガスプロムによると、ガス価格は6四半期連続で上昇し、今年の第3四半期の価格は前年比3倍近く上昇し、1,000立方メートル当たり304ドルとなった。

[中国/アフリカ] 11月29日、「中国アフリカ協力フォーラム」の開幕式に、習近平国家主席はオンライン形式で参加し、アフリカ諸国に10億回分の新型コロナウイルスワクチンを追加提供すると発表した。また、2021年末までに返済期限を迎える政府間無利子融資の債務を免除するとした。李克強首相は「中国とアフリカは国際法治を共同で強化」し、「多国間主義を実践する重要な責任を負っている」と述べ、米国主催の「民主主義サミット」をけん制した。

[イラン核協議] 11月29日、ウィーンにおいてイランとP4+1(英、仏、中、露+独)によるイラン核合意(JCPOA)への復帰交渉が再開した(米国は間接的に交渉に参加)。JCPOAは2015年に成立したものの、2018年に当時のトランプ政権が一方的に合意から離脱し対イラン制裁を再発動。これに対抗して、イラン側も抑制していた核開発の制限を撤廃した。今回の交渉では、いかにイランによる核開発を抑制させ、米国の対イラン制裁を解除していくかが議論されるが、両者の主張は合意には程遠く、交渉は難航が予想されている。

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