デイリー・アップデート

2022年5月13日 (金)

[メキシコ] メキシコ中銀は、昨日政策金利を予想通り50bp引き上げ、7.0%とした。声明では「インフレ目標達成のためのより強力な手段を講じることが検討されるかもしれない」としており、よりタカ派的となったことがうかがえる。今後は、先日発表した民間企業との価格抑制を中心とした物価対策を行いながら、FEDに追随する形での利上げの継続が予想される。

[米国] 5月12日、2日間にわたる米・ASEAN特別首脳会議が始まった。米国は、クリーンエネルギー、海洋法執行、デジタル経済といった分野を中心に1.5億ドルの投資を表明。当サミットを機に、「インド太平洋経済フレームワーク」の立ち上げが発表されるかとの観測もあったが、このタイミングでは公表されず、鋭意調整中とバイデン政権高官が発言。ASEAN事務総長も参加するが、フィリピンのドゥテルテ大統領やミャンマーのミン・アウン・フライン国軍総司令官は出席しない。

[米国/ウクライナ] バイデン大統領の要請に応じて下院は5月10日に、総額約400億ドル規模の対ウクライナ追加支援予算案を賛成368票、反対57票の賛成多数で可決した。上院の与野党指導部は上院本会議での同予算案の早期可決を目指していたが、ポール上院議員(共和党)は対ウクライナ支援の歳出内容を監視する必要があるとして、米国がアフガン駐留時に復興支援に対して設置していた特別監察官を対ウクライナ支援でも設置するよう要求し、早期可決を阻止。

[米国] 労働省によると、5月7日までの1週間の新規失業保険申請件数は20.3万件となり、前週から0.1万件増加し、2月中旬以降の高水準となった。4月30日までの週の継続受給者数は134.3万人であり、前週から4.4万件減少し、1970年以来の低水準だった。これまでのところ、雇用環境は堅調に推移していることから、FRBは引き続き物価上昇抑制に注力していくとみられる。

[中国] 中国共産党中央宣伝部は、本年秋の第20回党大会に向け、「中国この10年」をテーマとしたシリーズの記者会見を4月22日:治安、検察、公安関係、同23日:法制と行い、5月12日には第3弾として経済、環境、改革などに関する記者会見を3時間弱にわたって実施した。2021年の国内総生産が114兆元となり、世界経済に占める割合が2012年の11.4%から18%以上に達し、ここ数年の世界の経済成長に対する寄与度は30%前後を維持している、など習近平総書記政権下における約10年間の党の業績を誇示する内容となっている。

[カタール/イラン] 5月12日、カタールのタミーム首長がイランを訪問し、ハメネイ最高指導者やライーシ大統領との会談を実施した。二国間や地域の問題に加えて、3月中旬以降中断しているイラン核合意(JCPOA)再建交渉に関する意見交換などが行われた模様。同交渉にEU代表として参加するエンリケ・モラ交渉担当官も現在テヘランを訪問中で、JCPOAの早期再建を望むEUや、米・イラン双方との交渉チャンネルを持つカタールによる裏での交渉調整が進んでいる。タミーム首長はイランの後、英・独など欧州諸国を訪問予定。

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