デイリー・アップデート

2022年5月20日 (金)

[カナダ/中国] 5月19日、カナダ政府は、同国の第5世代無線ネットワーク(5G)から、ファーウェイとZTEを締め出すことを決定したと明らかにした。既に使用されている両社の5G関連機器やサービスは2024年6月までに撤去、4G機器やサービスは2027年末までに撤去・終了しなければならないとしている。中国との緊張を高めるこの決定は、これまで3年以上実施が先送りされてきた。昨年9月にファーウェイCFOの孟晩舟氏が中国に帰国、中国で拘束されていたカナダ人2名が釈放された後も、この件は両国関係に影を落としている。

[米国/ウクライナ] 5月19日、米上院本会議は、今月10日に下院本会議で賛成多数で可決され上院に送られていた総額約400億ドル規模のウクライナ追加支援予算案を、賛成86票、反対11票の圧倒的賛成多数で可決し、バイデン大統領の署名を受けて成立した。前日の5月18日には上院本会議でブリンク次期駐ウクライナ米国大使の指名も正式承認されており、今月11日には在キーウ米国大使館が再開されたこともあり、バイデン政権の対ウクライナ支援は加速されることになる。

[フィリピン] 中央銀行(BSP)は5月19日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利(RRP)を0.25%引き上げ、年2.25%とした。利上げは3年半ぶり。同金利は1年半前に過去最低の2.00%に引き下げられて以降、据え置かれていた。先に利上げを6月に前倒しする考えを示していたが、さらに実施を早めたもの。今回の利上げは想定以上に堅調な景気回復、低下傾向にある失業率、ウクライナ情勢の悪化によるインフレ圧力の高まり、最低賃金の引き上げ、米国の利上げなどが背景にある。

[日本] 総務省「消費者物価指数」によると、4月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+2.5%となり、8か月連続で上昇した。2014年10月(+2.9%)以来の高い伸びとなった。内訳をみると、食料品やエネルギー価格の上昇が目立っている。また、携帯電話通信料の下落幅が縮小したことも、物価を押し上げた。先行きについては当面、4月同様に高目の物価上昇が継続するとみられる。

[ロシア] 5月18日、米IT大手グーグルのロシア子会社がロシア国内で破産申請した。グーグルはロシア国内の銀行口座が凍結され、従業員給与や契約企業への支払いなどの債務が履行できなくなり、事業継続が不可能になったと説明した。破産申請後もグーグルのサービスはロシア国内で利用できるとされており、同社はロシアで、検索サービスに加え動画配信の「ユーチューブ」やメールサービス「Gメール」、地図サービス「グーグルマップ」などを継続して提供する。

[中国] 5月20日、中国人民銀行はLPR(ローンプライムレート)の改定を発表、1年物は3.70%のまま据え置かれたが、5年物については現行の4.60%を4.45%に引き下げた。これに先立つ15日、同行は住宅ローン金利に関し、これまでの規定を改め、1軒目の住宅購入者に対する利率をLPRから20bpまで引き下げることを各地に許可した。易居研究院の調べによると、19日までに一線都市の広州、深圳を含む計20都市での住宅ローン金利が(4.6~5.0%から)4.4%となっていた。20日のLPR改定でこれが更に引き下がり、不動産市場の回復が促される可能性がある。

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